過去2回に分けて書きましたが、今回で最後です。
以下は過去の回です。
前から思っていたことであるが、一冊ぐらいは彼の著書を読んでおかねば…と思い、遅ればせながら、昨日、ホリエモンの「儲かる会社の作り方」という本をブックオフで買ってきて読んだ。
昨年の9月に刊行されたこの本を読むと、彼の考えていることや彼の頭の良さが良くわかり、彼が宇宙人とは思えなくなった。
彼の行動はすべてライブドアの企業価値を高めること一点に照準が置かれていることが良くわかり、プロ野球騒動も、ニッポン放送買収の件も、そして、ちょうど良いタイミングで入ってきたフジテレビとの和解内容の件も、その観点で見るとすべて結果的にはその目的にかなっているように思えた。
もちろん、ライブドアの時価総額が増えないとそのことは証明されないのだが…。
プロ野球の件でもフジテレビの件でもライブドアは実害を被らずに済み、世間を騒がせはしたが、まあ、「めでたしめでたし」と言っても良い結果に終わった。
フジテレビ側としては途方もなく多くの金を使い、かつ、TOBに応じた株主を裏切る結果に終わったわけだが、主な目的を達成できたわけだし、ホリエモンからすれば今回の件は「想定の範囲内でも良い方で収まった」ということなのだそうが、そりゃ1,500億円も引き出せばめでたしめでたしということになるわな…。
本音をいうと、私にとって一番多く見る&報道姿勢に好感を持っているテレビ局はフジテレビであったわけだし、また、ある意味で日本における先駆者であるともいえるホリエモンが痛い目に会わずに済んだのだからこういう決着に終わって良かったなあ…と甘いことを考えている。
そして、今回の騒動を「人騒がせな…」と思って済ませている人がおられるかもしれないが、私はそうでもなかっただろうと思っている。
言わずもがなであるが、結果論として、プロ野球2リーグ12球団制を残したのはホリエモンの功績であったし、今回の件において、プロ野球の件以上に日本社会に良い意味でドラスティックな影響を与えたのもまたホリエモンだったのだから、これはこれはお見事としか言いようがない。
彼がこの騒ぎを起こさなかったら、経営者も買収リスクについて真面目に考えないまま、法も未整備のまま、商法改正を迎えたであろう。
大きな功績である。
彼が望んでそうなったのか、結果的にそうなったかは本人のみぞ知るところであるが、結果として彼は日本社会における歴史的な功績を2つも成し遂げたのである。
しかし、彼の著書を読むことで、ホリエモンの生い立ちゆえに形成された独特な考え方を知ると、ちょっとばかり、「実は、かわいそうな人でもあるんだな~」と思ってしまう面もあった…。
ところで、つい最近、リーマン証券は平均転換価格297円でCBをすべて株式に転換したというが、フジテレビはこれからソフトバンク・インベストメントとどうやってつき合っていくのだろう…。