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世の中をかいくぐって逆張りの人生を歩む俺の意見

宗教大国アメリカと他の国々

日本国民の多くがほとんど神の存在を心の拠りどころにしていないのと違って、アメリカ国民の多くは神の存在を強く心の拠りどころにしていると言われることが多い。

このところの日経新聞の記事を中心に得られた情報をもとにその辺に触れてみたい。

 

アメリカ国民は先進国の中では、サミュエル・ハンチントン教授の言葉を借りれば「突出した例外」と言われるほど宗教色が強い。

とある世論調査でも国民の92%が「神を信じる」と答えているという。

全米1億5,900万人のキリスト教徒のうち52%は週に1度は教会に通うという。

 

ブッシュ大統領も出張等で教会に通えなくなると落ち着かなくなるらしく、牧師の娘である当時のライス大統領補佐官(現国務長官)に聖歌を歌わせて、エアフォースワンの中で「空中礼拝」を開いたことすらあるという。

私には、どう落ち着かなくなるのかがさっぱりわからないが、よほど真面目に神の存在を信じているのであろう…。

 

また、2005年1月20日の大統領就任演説において、ブッシュ大統領は、「神」「創造主」「選ばれた民」といった宗教色の強い言葉を多用し、最後を「神がアメリカ合衆国を見守りますように」という祈りの言葉で締めくくったという。

 

それに比べれば、森喜朗氏の「神の国」発言なんてかわいいものではないか…。

しかし、日本のどのマスコミもブッシュ大統領の演説のことを「宗教じみて奇妙だ」などとは一切騒ぎ立てなかったくせに、喜ちゃんの場合には鬼の首でも獲ったかのようにバカ騒ぎしたのだが、これには強い違和感を覚えた。

しかも、ブッシュ氏のものは国家の一大行事における発言だったのに対し、森氏のものは神主さんの集会でなされたリップサービス的な発言にすぎなかったのだが、その点については前置きせずに批判ばかりを繰り返していたのだから、公正でないというか作為的な悪意に近いものをマスコミには感じる。

なお、私は、森氏に肩入れしているわけではないし、無信教者なので日本のことを「神の国」とも思っていない…。

 

また、「道徳の基礎として神への信仰がある」とアメリカ人の58%が答えたのに対し、イギリスでは25%、フランスでは13%、ドイツでは33%、イタリアでは27%だったという。

日本では、一部の熱心な日蓮宗仏教徒以外はほとんどの人がそのような問いにYESと答えないであろうと思われるので、アメリカとは鮮明な違いがあることになる。

 

日本ではキリスト教徒でもないのに、十字架デザインのアクセサリを平気で身につける若者が多いが、こんな情景を見ると、日本人にとって宗教というものがほとんど精神的支柱の役割を果たしていないことが良くわかる。

 

なお、ヨーロッパには「キリスト教○○党」というような名前の政党が多いような気がするが、実際には、ヨーロッパの政治指導者は公の場ではかたくなに政教分離を貫く場合が多く、またヨーロッパでは政教分離が加速しているという。

 

フランスにおいて、昨年9月に公教育の場から宗教色を排除する法律を施行され、イスラム教の女性が巻くスカーフが禁止されたことで話題となったが、実は、あれでキリスト教の十字架やユダヤ教徒の帽子も禁止となったのだという。

しかも、フランスの政教分離は、実は伝統的にはカトリック教会の力を削ぐことに主な狙いがあるのだという

 

貴族で構成されるイギリスの上院にはイギリス国教会大主教や主教からなる26人の聖職上院議員がいるらしいが、ブレア政権では将来的に世襲議員・聖職議員の全廃を目指しているという。

 

ということで、日本人は、「アラブ人と同じでアメリカ人も、意思決定の大きな部分を宗教的な価値観が担っている」という特質を常に意識しつつ政治的な課題に取り組むべきであるべきだと思う。

また、世界最強の権力者が熱心な宗教家であることを常に心得ておいたほうが良いようと思う。