「小さな政府」という言葉は子供のときから私が大好きだった言葉である。
こんな言葉が大好きな子供も変だが…。
しかし、何でも政府外の管轄にしたり、民営化をしさえすれば国民の利益にかなうかといえばそうではないと思う。
先日も郵政民営化について激しくツッコミを入れたが、物事は本質を追求しなければならないと思う。
見た目の租税負担率を下げるためや、ポストを作るために、さまざまな独立採算省庁や行政法人や特殊法人がある状況はおかしい。
いくつかの事例を通じてそのいびつさについて検証しようと思う。
例えば、高速道路を民営化する理由は「無駄な道路を作ることをやめる」というのが大前提であったはずなのだが、結果として、「上下分離式」というアホらしい方式を採用してしまったため、どうやら改革は失敗に終わりそうである。
また、償還後は無料開放するはずだった高速道路が民営化することによって永続することとなるからウソつき。
高速道路に関しては、いっそのこと国営化してしまって、地方の交通量の少ない高速道路に関してはタダもしくは格安にしてしまえば、一般道の渋滞緩和につながり、物流コストや環境に対する負荷が圧倒的に圧縮されるので良いことずくめなはずである。
高速料金が高すぎるからということで、大型トラックがガラガラの高速道路を走らずに一般国道を走っているような本末転倒な状況はあまりに不健全だし、それだけ高速料金がバカ高いということの証左でもある。
もちろん、ネットワークに甚大な影響が出ない限りは、計画中の道路建設の多くを見直すことが前提となる。
地方で高速道路を心の底から欲しているのは建設関係者とその票をあてにする政治家ぐらいなものであろう。
私は宮崎市出身の人間だが、「外環道は必要でも、東九州高速道はいらない」ということぐらいの分別は簡単につく。
また、仮にアクアラインを1,000円以下、もしくは首都高料金管内にしてしまえば、木更津あたりから車で通勤する人も増えるだろうし、房総方面が限りなく首都圏に組み込まれることとなるので、社会的利益は計りしれないだろう。
しかし、過密している首都高などの高速道路で同じことをやったら高速道路の渋滞が酷くなるので、普段から過密している高速道路では料金を取らねばなるまい。
「償還」という考え方を用いてしまえば本来は逆であるべきなのだろうが、ここは論理より実効性を優先して、渋滞しそうな道路では料金を取り、そうでないところは基本的に無料とでもしたほうが国民の利益にかなうだろう。
しかし、これとて、時間帯によって料金設定を変えて、混んでいる時間帯のみ料金を取ることにすれば不満も出にくいだろうし、また、逆に混みすぎて高速道路を使っても一般道と同じぐらいの所要時間を要しそうな場合には料金を引き下げるなどということなども柔軟に考えたほうが良いであろう。
話題は変わる。
2004年11月9日にもくどくどと述べたが、私は、NHKは単独での受信料徴収をやめるべきだと思っている。
徴収する料金が高すぎること、徴収コストがかかりすぎなこと、徴収方法に限界があること、すべてが問題だと思うからである。
もちろん、国費を投入するからには予算を大幅縮小して必要のない番組を作るのをやめることが大前提となる。
独自で徴収をしているNHKの言い分は「独自で行うことで国家からの独立性を維持するため」などといったところだろうが、北朝鮮じゃあるまいし、そんなことに圧力をかけるような国ではなかろうし、独自徴収によって独立性が維持できるとも思えない。
しかし、独自徴収の理由が徴収員の雇用確保のためとかだったら余計に許せん!
とっとと国営化してしまえと思う。
社会保険も同じ。
社会保険負担は「社会保険税」と言い換えられることがあるが、これはどう考えても税金である。
サラリーマンも、所得税額が少ない場合でも社会保険料は意外に多くとられる。
言ってしまえばあんなものは全部税金なのに「税金が高い」と言われないために別の呼び方で呼ばせているだけにすぎないのである。
また、年金も健康保険も、複雑怪奇かつ逃げ道たっぷりな徴収方法ではなく、シンプルで逃げ道のない方法で徴収しろ!と言いたい。
私としては年金を滞納することもあるので別にいいと言えばいいのだが…。
他にも、商工中金などの政府系金融機関やなんて単なる民業圧迫&前近代的発想だし、○○振興機構なんてものはポストのために団体があるようなもので必要の無いものばかりである。
「見た目上の税金額を安く見せるためのセコい努力をする前に、一元化したうえで無駄な団体を廃止しろ!」と強く言いたい。