GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

魔裟斗選手を嫉むヤツって…

これはもちろん私の感覚にすぎないのだが、それにしても、格闘技をしていない男には圧倒的にアンチ魔裟斗が多い。

また、特に魔裟斗選手より年上の男にアンチ魔裟斗が多い気がする。

 
晦日における山本“KID”徳郁戦の金的の直後に親友Y君から「あれわざと?」というメールが来たときにはがっかりさせられた。

「誰がわざと蹴るか!」って感じである。

 

実際にキックボクシングをやっている人は私も含め、皆、魔裟斗選手(以下「魔裟斗」)をリスペクトしている。

いい人を装って「ベストを尽くします」と言うことや謙虚に振舞うことは誰にでもできることであり、ヒールになることは負けたときに目も当てられなくなるとう意味でリスクが大きいことなので、ヒールになろうとすることだけでも私などは「大したものだ」と強く感心してしまう。

魔裟斗安廣一哉選手に負けた頃の小比類巻貴之選手みたいに堕ちたらそれこそ、叩かれ方は小比類巻選手の非ではなかったハズである。

 

しかしながら、多少突っ張ってヒールにならないぐらいではこの世界では目立てずチャンスが回ってこないのがこの世界の常でもある。

魔裟斗ボブ・サップ選手もヒールからスタートしているではないか…。

須藤元気選手のようにセルフプロデュースに長けていれば、あのように謙虚な姿勢でいても目立てただろうが、口下手で真っ直ぐな魔裟斗にはそのような芸当はできないだろうから、あのような方法で目立つしかなかった部分もあるだろう。

 

そして、実際に回ってきたK-1 MAXというワンチャンスをモノにし、しかも連覇し、2年目には世界大会まで制覇したのだから本当にその有言実行ぶりには頭が下がる。

1回目のMAXはそれこそ「やってみないとわからない」という世界だったので、その中でああいった強気のコメントを発言するのにはかなりの勇気がいったはずで、思いっきりヒールにならないと目立てない中であったから彼にとっては当然の行動であったとはいえあっぱれなものである。

そして、「ヒール=魔裟斗、対抗馬として仕立て上げられたヒーロー=小比類巻」という図式を破って見事に優勝をモノにした。

そして、2年目には「最後の大物」としてこれまた強さを測定しかねていた武田幸三選手を破っての優勝&世界制覇という偉業を成し遂げた。

このときも魔裟斗と武田選手の下馬評は五分五分もしくは武田選手のほうが高かったことを考えると魔裟斗の勇気には恐れ入るばかりである。

 

魔裟斗=中卒」ってバカにするヤツは多いが、そうやって考えれば彼がいかにリスクを覚悟で果敢にチャレンジをしているかということと、いかに計算高いかがわかるというものである…。

ただし、確かにそうではない一面もあって、自分だけが目立つことだけに必死なことや、気を自己主張がいささか強すぎるところや、英語もしゃべれず、俳優としてはスタイルも良くないのに「とっとと引退して映画俳優になる」と言ったりする幼稚?な一面があるから、そういった面で底が知れてしまい、私も今ひとつファンにまではなれない。

特に私は映画俳優より、格闘家のほうをよほどリスペクトしているから、あれはなおさら残念なセリフだったとも思う。

また、自分でこんなことを書いていながら言うのも難だが、自分のほうが年上であることも少しはファンになれない理由としてあるのかもしれない。

 

ところで、魔裟斗ほどキックボクサーの地位向上に尽力した日本人が他にいるだろうか。

私はいないと思うが、それだけでもリスペクトするに値する。

しかも、キックボクサーには魔裟斗や新田さんをはじめ、オシャレな選手が本当に多いが、魔裟斗はキックボクサーという存在にスマートでファッショナブルなイメージを植えつけた点も見逃せない。

 

旧態依然としたキックボクシング界に早々と別れを告げ、セルフプロデュースでクラブとリングをコラボラーションしたウルフ・レボリューションを立ち上げ、キックボクシング・イベントの概念を変えた実績は大変なものである。

そして、この流れは「IKUSA」をはじめとする格闘技クラブ・イベントのハシリとなる…。

また、メチャ強くて・イケメンで・ワルっぽい魔裟斗という個性がなかったらキャラ重視のK-1の世界において、K-1 WORLD MAXというイベントが新設されることはなかっただろう。

小比類巻選手は魔裟斗のライバルいう設定で仕立て上げられたにすぎない。

 

後輩のプロキックボクサーが魔裟斗の練習している伊原ジムに通っているのだが、ウワサもさながら、実際に魔裟斗の試合前の追い込みは本当にすさまじいものだと聞く。

 

何のスポーツでもそうだと思うが、特にキックボクシングの試合前というのは本当に地獄のような日々が続く。

減量の苦しみ・スタミナアップのために連日限界までミット打ち・減量による筋肉内の乳酸蓄積による疲労を伴ってのランニング・ケガへの心配…と試合前の選手は地獄のような日々を送るのだが、特に魔裟斗の場合、王者のみが持つ「負ける恐怖」との戦いがこれに加わるのでその苦しさは相当なものだろう…。

 

魔裟斗のことを悪くいう男は、「魔裟斗は傲慢だ」と言うだけでそういった裏側を知らずにそう言うのだろうが、そういうヤツに限って魔裟斗が強くて・イケメンで・有名で・女にモテて・金を持っていることをやっかんでいるのだろうと思う…。

「ハイリスクを取って限界までがんばった者がハイリターンを得る」。

この公式に当てはまる人物に対しては、生意気も何もない!

 

多少のヤンチャな面はあるが、私はキックボクサーの地位向上に計り知れないほどの尽力をし、有言実行を続ける魔裟斗をリスペクトする。