GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

下水の前提条件を勘違いしてた

大雨の時には下水がきちんと処理されずに東京湾に流れ込むことがあるということを知らなかった。

不勉強と言われればそれまでだが、だとしたら良くもまあオリンピック時にお台場でトライアスロン競技を行おうなどと思ったものだと思う。

 

このことについて述べる前にちょっと回りくどいことを述べる。

俺は宗教を一切信じていないが、科学も絶対だとは思っていない。

まず、生物の仕組みを科学的に説明できないように科学で解明できていないことが多いとわかっている以上、科学的手法には抜けがたくさんあると思うからである。

しかし、「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」というチャーチルの言葉と同じではないが、科学以外の検証方法を科学よりも優れているとは認めるわけにはいかない。

 

なので、食物であれ海であれ適正に水質や放射能の検査をして安全と確認されればそれを是とする以外に対案がないと思っているし、その対案は科学より信用できないと思っている。

しかし、科学的手法による検査は正しく行われる必要があり、絶対に不正検査は排除しなくてはならない。

 

海水の衛生基準に関しても水質検査の結果で判断すれば良いと思ってきた。

それと同時に、「まあ、海に汚水が流れ込みでもしない限りは大丈夫だろう」だと思っていたのだが、この前提が違っていたことを最近のニュースで知ったのである。

これでは放射能ならぬ汚水ダダ漏れを許容しているということと同じではないかと驚いた。

検査基準云々と言う前に前提条件がヤバいと思うのだ。

 

合流式の下水道を分離式にすると10兆円の費用と50年くらいの時間かかるという記述があるので急に手は打てないということがわかった以上、大雨時には汚水を放流せざる得ない。

そりゃマンホールから下水が流れ出てきそうなピンチになったら海に流しちゃうしかないだろう。

しかし、そうなのであれば水質検査の結果が少しでも悪い日のお台場では絶対に泳ぐべきではないということになるであろう。

それなのに先日のトライアスロン大会では選手に泳がせてしまったのである。

 

もちろん、先述の通り、科学的手法による水質検査の結果は信じるしかなく、検査結果が良ければ泳ぐのを可とするしかないのだが、では仮にオリンピック当日に検査結果が悪かった場合にお台場でのスイム競技を止められるのかという問いが出てくる。

もし、検査結果が悪くても強行する、検査結果を強引に解釈して強行する可能性が少しでもあるのであればお台場を会場に指定するのは不適格であるとしか述べようがない。

前が見えないだとか水が下水臭いだとかいう声が上がったというが、「誰がうんこが混ざった水で泳ぎたいと思うか?商業主義もたいがいにせい!」と叫びたい。

小池都知事によると大腸菌を取り除くスクリーンを1枚から3枚に増やして対応するそうだが、仮にそれによって水は臭いけど水質検査ではOKという事態が起きたらトラウマになるだろうと思う。

俺がちょろっと調べたところでは荒天時の予備日は検討されているようだが、場所の変更については書かれていなかった。

 

ただでさえアメリカの商業主義に屈して殺人的に暑い時期にオリンピックを開くことになることで選手たち不満の声が出ることが予想されまくっているのに、さらに汚水の中で選手を泳がせてしまおうものならもはや何のためにオリンピックをやるのかわかったものではない。

 

俺は臭いに病的に敏感なこともあり、渋谷ストリーム周辺の渋谷川が臭いという文章を見たことがあった後にずっとそのことが気になっていたのだが、俺が過去に3回ほど渋谷ストリームに行った時にはいずれも臭くなかった。

友人は「渋谷川は臭かった」と言っていたのだが、俺は自分の経験と、「汚水の臭気が上がってくる可能性のある川を活かして最新鋭のオフィスビルとショッピングゾーンを作るとは思わない」という思い込みのために、「それは偏見に近いのではないか?」と友人に答えた記憶がある。

臭いものはどうしたって臭いのだからそれこそ真実であるといえるだろうが、思い込みが強かったのでそのように強弁したのである。

しかし、本当に臭くなってしまう構造になっているのだとすればやはり臭気は発生するだろうし、それがわかっていながら計画を推し進めたのだとすれば蛮勇があるなあと今になって思った次第である。

 

検査結果云々の前にその前提条件が自分の思い込みと違っている例があると今回の下水の件でわかったが、福島第一原子力発電所においてだけはそういったことはないものと信じたい。

 

夜には屋形船が浮かぶお台場の海