GOODDAYS

世の中をかいくぐって逆張りの人生を歩む俺の意見

破産者マップ騒動

ここ1日内ぐらいに閉鎖されたが、破産者マップというとんでもない爆弾が世に投入された。

このサイトの存在を知ったのは数日前の話だったが、1日に300アクセス程度のこの零細ブログでもその存在について言及するわけにはいかなかった。

それは法根拠云々は別としてこのサイトの存在を広めることに加担することに大きな躊躇を覚えたからである。

きれいごとが好きではない俺がこのようなことを述べるのは珍しいのだが、この情報を開示された人の心の痛みを踏みにじってもそれを開示するメリットがあるかだとか、この情報を悪徳業者などに悪用されるリスクだとかについて考えると、どうしてもこのサイトには賛同できなかった。

しかし、このサイトの管理者がサイトを閉鎖すると発表し、実際に閉鎖されたことをもって、やっと触れても良いのかなと思ってこの件についての所感を書くことにした。

 

このサイトは官報に記載された破産者の情報をGoogle Mapに落とし込んだサイトだったのだが、俺のように18歳まで地方都市に住み、それ以降は東京の各地を転々としている者にとっては大した意味を持つ情報ではないものの、生まれ育った地域に根を下ろして生活している方々にとってはとんでもない衝撃を与える情報だったろうと想像する。

破産というのは珍しくもなんともないものの、極めてプライバシーの度合いが強い情報である。

しかしながら、直近30日の情報のみとはいえ、民主主義国家の手続きに則り、国家の機関紙である官報で国民に告知されている。

官報は購入およびPDFでの閲覧が可能な資料ではあるが、業務上それを必要とする人によってのみ利用されてきたのであろうと想像されてきたところに対して、今回は地図上に情報をプロットして可視化して晒すという“画期的”な試みがなされたわけである。

漫画村の、インターネット上に散らばっているマンガの画像データをあちこちから集めて引用して一覧化しているだけという多少無理のあるスキームより、今回のスキームは無理がないような気すらする。

 

そういうわけで、ヤバさの度合いは超弩級だと思われるものの、どう違法と問えるか、素人には見当がつかない案件だと思った。

しかも、被害者は圧倒的な弱者であり、かつ、分散していることから、被害者の結束も難しかろうと思われるところに、騒ぎを大きくできないという面もあった。

これは漫画村の時と同じく、立法・行政・司法のどの権力機関でもかなり問題視され、権力の行使についての議論もなされたのだろうが、第4の権力機関であるマスコミでも扱いについて相当な議論がなされたのだろうと想像できる。

 

漫画村騒動の時は、サイトが残っているうちにメジャーなメディアであるFNN PRIMEが大々的に報じ、それを機に他のマスコミも扱い始めて一気にアクセスが爆発したように想像しているのだが、今回は俺がチェックしていたところにおいては、プロおよびマスコミとしては神庭亮介氏がBuzz Feed Newsにて記事にしたのが最初の露出となっている。

なお、この記事が出たタイミングはサイトの閲覧ができなくなった後のタイミングだったようである。

ここで、俺が重いと感じたことが2点ほどあって、1点目はYahoo!Livedoorという超メジャーポータルサイトではこの記事はトップに上がっていて、これらのポータルサイトの運営側はこれを是と判断したということであり、これは漫画村の時もそうであった。

そしてもう1点は、漫画村の時はどうにもこうにも隠しようがなくなってから新聞やTVなどが真正面から扱うようになったのに対し、破産者マップに関してはヤバすぎると判断したのか、今のところは新聞やTVがその存在すら一切報じていないように思えるということである。

俺は新聞を購読していないし、TVも全く見ないのだが、ネットで検索する限りはメジャーなマスコミはこの件について一切報じていないように見える。

今回に関しては各報道機関の葛藤について色々と憶測しつつ、その良心を見た気がする。

といいつつ、後発的にかつ横並び的にガンガン扱うことはあるかもしれないが、これが建設的な議論の提示といえるのか、単なるリスク回避後の後出しといえるのかについては関心を払いたいと思う。

 

gooddays.hatenablog.jp

 

また、破産者マップ自身がtwitterのアカウントを持っているし、アマチュアだとか、ネット掲示板だとか、twitterで既にこのサイトは爆発的に広まっていて、1時間に230万アクセスあると管理者が述べていた通り、マスコミが報じようが報じなかろうが、いけないものであっても見たいという人の行動は漫画村の時や海賊版エロサイト閲覧と同じであり、「人の本性は悪」=「性悪説法治主義万歳」と思わせるに十分なほどに爆発的な結果が出ていたわけであるが、そういう俺自身も破産者マップを閲覧してしまったわけである。

 

ところで、この破産者マップの管理者はこの破産者情報の削除を願う人にフォーム上から削除申請をさせるようにしていたのだが、心底困っている側の弱みにつけ込んで、「そんなことまで?」と思わせるような細かな個人情報を書かせるようになっており、「この情報を売られたら激ヤバ!」と思うほど多くの情報を書かせる仕様になっていた。

破産者マップに記載されたのはここ2年内における破産者情報だが、2度目の自己破産をするためには免責条件も厳しくなれば、基本的には7年以上空ける必要もあり、その間は難しいわけで、情弱という意味でも意志の弱さという意味でもリテラシーという意味でも決定的な弱者であるこのような属性の人々が闇金などの悪徳業者の食い物にならないか心配するなというほうが無理な相談である。

 

なお、本ブログにもGoogleのお問い合わせフォームを設けていて、ほとんど何も書き込みがないのではあるが、Googleフォームは書いてもらった情報以外の情報は取得できない仕組みになっているので、この点についてはご安心いただきたい。

 

【2019年3月20日追記】

俺は紙の新聞は一切チェックしていないのだが、本トピックを書いた翌日に読売新聞オンラインが「『破産者マップ』運営者に行政指導…サイト閉鎖」、また、その数時間後に東京新聞webが共同通信の配信として「ネットに『破産者マップ』 保護委が行政指導、閉鎖」という見出しで報じている。

ここで、行政機関である個人情報保護委員会メールで管理人にサイト閉鎖を求めたと報じている。

破産者マップの存在についてでなく、閉鎖を求める行政指導を主体として報じているが、漫画村の時もこのような感じの報じ方だったかと記憶している。

メジャーマスコミの影響力と品性を考えつつ、考え抜いた上で報じたのだろうと思う。

 

小江戸・川越