GOODDAYS

世の中をかいくぐって逆張りの人生を歩む俺の意見

外国人労働者受け入れの論点

インドカレーが大好きなのでインド料理屋がないと困るのだが、インド料理屋で働いている店員にネパール人が多いことは、店の中にエベレストやアンナプルナの写真が貼られていることからすぐにわかるし、そういった店で店員さんに「ネパールの方ですか?」と聞くとそうだと答えてくれるし、「ずっと前に行ったけど、ネパールはすごくいいところだった」と言うと喜んでくれる。

 

インド料理屋はまことにありがたい存在ではあるが、店内の従業員の多さに驚くことも多い。

外国人受け入れが増えているとはいえ、一体どういうビザで来ているのだろうと思ってちょこっと検索してみたところ、コックとしての技能ビザで来ている事例が多いように見受けられた。

 

参考:技能ビザ

 

なお、コックのビザだと家族の滞在が可能になるようで、だからあんなに人がたくさんいるのかと思った。

もちろん、当人らに聞いたわけではないし、裏を取ったわけでもない。

彼らは日本社会に溶け込み、きちんと自らの食い扶持を確保し、食べに来るお客を楽しませてくれているがネパール人による技能ビザ取得はだんだんと難しくなっていると斡旋業者のページに書いてあった。

 

参考:斡旋業者

  

外国人労働者の受け入れについては、国会でも世間でも熱い議論が交わされている。

日本には約250万人の外国人労働者がいるというが、内訳をよく見ると半分は特別永住者や配偶者等の永住者で占められている。

以下の政府資料を見ると色々なことがわかる。

 

資料:高度外国人材の受入れ・就労状況 平成29年12月13日 法務省・厚生労働省・経済産業省

 

現在、労働者として流入しているのは、留学生技能実習と技能ビザなどの専門的・技術的分野の在留資格を持つ3種類の立場の外国人である。

これだけでは労働力不足を賄えないということで、政府は入管法を改正して来年4月に「特定技能1号」「特定技能2号」という在留資格を創設しようとしている。

 

移民政策についての個人的意見は前に述べたしつい先日にも外国人労働者を受け入れることには以下の2つのメリットと4つのデメリットがあると述べた。

 

2つのメリット:労働者不足の解消・安い賃金で働く労働者の確保

4つのデメリット:労働者賃金の降下圧力・医療や社会保障の福祉コスト負担・帯同家族の教育コスト負担・治安や文化摩擦への影響

 

なお、日本社会が労働力不足になった理由としては、大きくは以下の2つの理由が挙げられる。

 

理由1:政府は専業主婦65歳以上の元気な高齢者を労働者にすべく動いたが、それでも、今後を考えるとそれでも労働力が足りない見通しとなっている。

理由2金融緩和政策の効果によって労働者総数が増えたのにも関わらず労働需給が逼迫して失業率が下がって労働者不足になり、やっと労働者の時給が上がる素地が整った。

 

デメリットの労働者賃金の降下圧力と上記の理由2を考慮すると、外国人労働者を入れるのはデフレ脱却と賃金上昇の2つの面で困るということになる。

しかし、事務職は常に希望者過多なのに、介護建設など3Kとされる産業を担いたがる日本人の確保が難しいというのも事実であり、これらの業種では多少給与を上げても日本人を集めるのは難しくなっているような気もする。

介護は本人の性格やホスピタリティ的な資質に負うところが大きく、建設はかなり高給になってきているのだが、肉体的な強靭さや独特な業界風土への耐性が必要と思われ、それゆえに日本人労働者を集めるのが本当に難しくなってきているのだろうと思う。

農業や造船業などは採算割れするなら輸入するなり撤退するなりすればいいと思うが、陳情側が自民党の支持層である。

飲食業界や宿泊業界については業界の待遇改善やデフレ脱却が先で、安直に外国人を入れるというのはどうなのだろう?と個人的には思う。

半ば公的部門である介護分野は財政支出を抑えるために外国人労働者を入れるほうが良いように思うのだが、他の分野は労働者賃金の降下圧力にならないように細心の注意が必要であろうと思う。

 

ところで、これまでは留学生技能実習の受け入れによって労働者不足を補ってきたのだが、留学生は自費で日本語力を身につけてくれるという大変ありがたい存在であるとはいえ、すぐにでも特定技能1号に切り替えられるものなら切り替えたいと思う留学生も多いであろう。

 

以下は先日、法務省が発表した内容を少し要約したものである。

俺は、技能実習生制度はすぐにでも廃止するべきと前から思い続けてきたけど、その思いをさらに強くする内容となっている。

 

去年1年間に失踪し、その後出入国管理法違反の疑いで摘発された技能実習生、およそ2,900人を対象に、「失踪した理由」を複数回答で聞いたところ、契約よりも安い賃金だったことなど「低賃金」をあげた人が全体のおよそ67%と最も多くなっていたという。
ついで、「実習終了後も働きたい」がおよそ18%、「指導が厳しい」がおよそ13%、「労働時間が長い」がおよそ7%となっているほか、「暴力を受けた」がおよそ5%などとなっており、「1か月の給与」は「10万円以下」と答えた人が最も多かったという。

 

昨年失踪した技能実習生は7,089人もいたというが、これだけの外国人労働者不法滞在者にしてしまう制度失踪理由を考えても破綻していると思う。

まずは彼らを使い捨てにせず、彼らが期間終了を待たずに特定技能1号に切り替えられるような仕組みにするべきだと思うし、ろくに賃金を払わない企業は淘汰されるべきだろうと思う。

 

安倍政権は最後の3年間に入った。

移民政策や北方領土問題のような国民的議論が収斂してない政策であっても拙速に進めているように見受けられるが、もう総裁選はなく、来年の参議院選挙を控えているとはいえ両院の絶対的な多数派も占めていて、独裁的な権力を握っていることから、思い残すことがないようにさまざまな政策をどんどん進めていくつもりなのかもしれない。

トランプ政権は中間選挙の結果により政策を思うように実行できなくなったが、安倍政権はまだ力を有している。

独裁的な権力は薬にも毒にもなるが、日本の場合は変化のスピードはあまりに遅すぎるので、これからの3年間は一気に動かしてもらって良いのではないかと個人的には思っている。

 

なお、外国人労働者受け入れの推進は安倍氏を最も強く支持する保守層から総スカンを食っている政策であり、デフレの受益者である高齢者層からも何故か嫌がられている政策なのだが、この層への配慮を捨てて安倍氏が決断をしたというのは結構すごいことだと個人的には思っている。

 


ネパールのカトマンズのボダナート