GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

太陽光発電・消費増税・行政のコスト意識

先日、カリフォルニアで太陽光発電による過剰供給が問題になっているというようなニュースをどこかで見て、うらやましいものだと思っていたら、今度は九州で電力消費量の時期的な少なさと日照量の多さのために過剰供給になってしまう事態が起きたようである。

電気を捨てるなという批判も起きているが、手順を踏んで行っていることであり、仕方ない面はあるだろうと思う。

今月の東京は曇りの日が続いていて、日照時間の短さが尋常ではない。

先日の台風と相まって野菜の生育への影響も気になるし、関東近辺の太陽光発電量は少なかっただろうと想像する。

太陽光発電に不安定な面があることはわかっているし、電力の買い取りに1兆8,000億円もの国民負担を投じていることもわかっているのだが、ここにきて買い取り価格の値下げの動きが加速している。

国家は状況に応じて梯子を外すものであるということはわかっているとはいえ、太陽光発電の買い取りコスト・日本の気象条件・発電所建設のために山林を削ったことによる土砂災害への危惧・景観に与える影響・近隣住民の反対運動の根強さと思うと、また、今回の九州での供給過剰のような事例を聞くと、太陽光発電には難しい面があるなあと思ってしまう。

原油価格は高い・二酸化炭素排出は抑制しなくてはならない・原発の再稼働は前途多難・福島第一原発事故の収束はさらに多難・太陽光発電は買い取り価格が高く不安定・東日本と西日本で周波数が違うという厳しい諸条件があって、さらに自然災害時における電力供給体制の課題が露わになっている今の世相において、電力行政や電力会社の舵取りは難しいだろうなと強く同情する。

でも、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣の3名の無罪主張に関しては無理があるように思う。

 

来年10月の消費税増税が今度こそ決定したようだ。

消費税の増税がいかに日本人のマインドに合わないかということについては過去に述べたことがあるので今回は述べないが、消費税の増税がいかに日本の景気を冷やすかということについては過去の事例が雄弁に実証しているので政府も対策に躍起になっている。

なお、高齢者比率の上昇に伴って労働参加率が低下していくことを考えると、勤労者層に対してではなく、非勤労者層および資産切り崩し層への課税を強めていかざるを得ないので合理的な判断であるともいえる。

資産切り崩し層の人は、消費に対して課税されるほうが資産に対して課税されるよりはまだマシと思うしかないだろう。

それでも、マイナンバー制度の活用開始やキャッシュレス決済のポイント付与や自動的情報交換制度やタックスヘイブン対策税制の強化といった国の動きを見ると、所得消費に対する課税で財政を賄えなくなった国家権力がいつ国民や企業の金融資産に課税をし始めるかわからないという怖さがある。

なお、デンマークのように最終的には現金廃止にする施策を推し進めようとするならば、税務署の命令次第でカネの流れを完全に把握できるようになるわけで、水商売などは大ダメージを受けるだろうが、日本人は現金大好きだから大丈夫でしょ…。

 

ところで、今回の消費増税においては初めて軽減税率が適用される。

軽減税率は食品定期購読の新聞にだけ適用されるようだが、前者は生活必需品として納得しやすいし、食費と光熱費が主な支出項目である我が家としても助かると思う。

それでも、軽減税率というのは生産と消費の価値に序列をつけることにままならず、この考えでいくと食品の生産と消費および新聞の発行と購読は他のあらゆる生産・消費活動よりも価値があることであると認定していることになるので、個人的には反対であり、特に新聞への適用に関しては断固反対である。

新聞社の仕事に特別な価値があると考えていない俺にとっては到底納得できることではない。

また、食品への軽減税率適用は選挙の結果で与党となった公明党の働きかけだろうからまだ納得できるが、新聞に関しては、与党と新聞各社との癒着および与党による新聞各社への手なずけを見せつけられている感がある。

もしかしたら、聖教新聞社公明新聞を発行する公明党機関紙局としんぶん赤旗を発行する日本共産党中央委員会が喜ぶので、新聞社の癒着というよりは単純な政治上のディールなのかもしれないけど…。

 

港区で100億円を投じて南青山に児童相談所を作るという件で地元住民と大揉めになっているという。

住宅地に保育園を作る際の近隣住民の反対運動などに対しては「必要施設なのだから仕方ないだろ」としか思わないほうだが、今回に関しては少し違う考えを持った。

区の児童相談所はそれほど立地条件が重要な施設ではないと思うのだが、東京の代表的な商業地であり、地価の高い南青山に巨費を投じて作ろうとする港区のコスト意識にどうしても強い違和感を抱いてしまうのである。

国から72.4億円で土地の払い下げを受けたそうだが、住民税からこれだけの用地取得費に使われた納税者の気持ちを考えるとやるせない。

これは港区民一人当たり約28,500円程度を出費して土地を購入したことになるわけだが、もし、この希少な土地を民間に売却して民間が活用したならば何倍もの利益と納税を生む使い方ができるだろうと想像すると、港区民は可能な限り他の自治体にふるさと納税してしまおうという気にすらなるのではないかと思う。

東京都所有の築地市場の跡地だって、土地の特性を何も生かさないような使い方をされたらやるせないだろうと思うが、先日、東京都議会は閉館して何年も塩漬けになっている旧国立児童館のこどもの城を取得して有効活用するという英断を下したわけで、これに関しては高く評価できると思う。

なお、有効に活用されていない国有地は莫大にあるわけだが、これらを処分せずに消費税増税に走ることに納得できない納税者は少なくないだろうと思うし、ましてや、財務省近畿財務局が格安で森友学園野田中央公園に払い下げたことに対して国民がどれほど怒ったかということについて考えると、財務省増税だけではなく、国有財産のスリム化にもきちんと取り組んでいただきたく思う。

 

【追記】

2018年10月18日追記。

児童相談所予定地周辺について、実際にお店の多い地域なので商業地と書きましたが、用途地域について調べたところ、第二種中高層住居専用地域でした。

商業地域よりも用途規制があり、地価も安くなりますが、それでも相当な好立地に予定していることには変わらないようです。