GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

江平五差路と交差点考

全国で最も多く事故が起きた交差点が故郷の宮崎市江平五差路で、3位も宮崎市新名爪交差点だというから驚いた。

江平五差路は確かに複雑だが、子供の時からあたりまえのように通っていただけに驚きひとしおである。

また、今年の20件の事故で死者はいないとのことだからそれだけは救いである。

交差点が大きいからというよりは、信号現示が複雑すぎるのと、小さい道への青時間が短いというのが事故の多い理由だと思うのだが、信号は警察の管轄で、2つもワーストを出しているのだから、もしかしたら宮崎県警の策が良くないのかもしれない。

うちのご主人は道路の狭い長野県出身なだけに宮崎市の道路事情の良さを見ていつも絶賛するし、俺も宮崎市の右折専用車線の充実ぶりには感心していただけにビックリなニュースだった。

 

ところで何故にこういったことを気にするかというと、俺が新卒で入った会社で交通調査交通解析を仕事の一つにしていたからである。

東京近郊の数えきれないほどの交差点を調査してきて、東京の交差点は宮崎と違ってすごいなあと思っていたが、事故数に関しては灯台下暗しだった。

ちなみに当時、平面交差点では日比谷公園北西の祝田橋交差点、立体交差点では国道17号と環七が交差する大和町交差点が都内最大の交通量を誇る交差点だったかと思うが、大和町交差点なんて下には板橋本町駅があって、ただでさえ環七のオーバーパスがあるのに、その上には首都高5号池袋線がクロス上に蓋をしているから田舎者の俺はその猛交差点ぶりに驚嘆するとともに、現地の空気の悪さにも驚いた次第である。

俺はこれまで護国寺西交差点とか小荷田交差点といった海千山千の猛交差点をたっぷり見てきたつもりだったのだが、それでもワーストは江平五差路だったのね…。

 

言うまでもないが、一般道においては交差点交通容量を落とす最大要因であり、交通容量は車線数・方向別青時間・大型車混入率・歩行者数・交差点のコンパクトさなどといった数値を日本道路協会の「道路の交通容量」マニュアルの数式に当てはめて計算すれば算出され、何台の交差点流入需要があったらその交差点が飽和して渋滞を起こすかを予測・計算できるわけで、それを最適化するのが交差点の設計・改良と警察による青時間の操作ということになる。

ちなみに交通量調査というのは設計された容量に対する実交通量を測って、交差点の飽和度を測定するものである。

 

なお、大規模施設の開発許可を当局から得るための提出資料として必要な、開発後の周辺道路への影響評価報告書をまとめるというような仕事もしていた。

俺が担当したのはガラガラの道路に建つ施設予測・評価ばかりだったので「当開発による周辺道路への影響なし」の結論で済んでいたのだが、イオン渋滞が起きている道路のレポートをまとめた人は、決められた手法によって影響評価しているとはいえ、一体どうやって影響評価報告書をまとめたんだろうとイオン渋滞を見るたびに思う。

 

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本当は気持ちの良い道が延々と続く宮崎市内の道路