GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

まさか米中貿易戦争はヘゲモニーを巡る戦いなのか?

仮に日本が自前で中国と渡り合う軍隊を持つとなると5倍は費用がかかるという声もあるが、ひいき目に見てもアメリカと同盟を組んでいるおかげで日本の軍事費は安く済んでいるわけである。

実際にGDPの1%しか軍事費を負担していない国なんて日本以外の主要国では見当たらないし、中国が2%程度なので、中国のGDPが日本の2.5倍はあることを加味すると5倍の5%というのはあながち嘘ではなかろうと思う。

サウジアラビアなんてアメリカとの関係があるとはいえ、10%も負担しているから先軍主義だわと思う。

まあ、北朝鮮は世界最高の23%が軍事費なのだけど。

しかしながら、自衛隊が本業ではない災害救助や復旧活動に駆り出されまくっているのを見たり、高速道路の利用も渋ったり、備品もろくに揃えられないほどに予算がないと聞くと、もう少し自衛隊に予算を使ってあげなよと思わずにはいられない。

 

日米同盟には片務的な性質がある代わりに、基地や空域の提供だとか、政治的に対米追随を余儀なくされるという点において、屈辱的な面も多々あるが、コストパフォーマンスを考えればこの同盟はどう考えても得なので我慢するしかない。

核武装は最も低コストな策だが、非資源国で自由貿易が大前提の日本においては、総合的には最もコストパフォーマンスが悪く、全く現実味のない策である。

ところで、アメリカの軍事費はGDP比3%なのに、トランプ氏はNATO加盟国に対してGDPの4%の軍事費を負担しろとか無茶苦茶なことを言ってたから日本も油断ならんわいな。

 

中国やロシアと軍事同盟を組んでアメリカに対峙するというシナリオも無くはないが、やはり世界で圧倒的な力を持ち、躊躇せずにトマホークをぶち込むほどに狂暴なのはアメリカなので、アメリカと組むのは最適戦略だと思う。

オバマ氏のようなソフトで常識人なイメージの大統領もいたものの、いつかは、狂暴なアメリカ大統領が出てくるだろうと思っていたが、それが現実化した今、敵に回してなくて良かったとは誰もが思うところであろう。

狂暴なトランプ氏、何でもありの底知れぬ組織である中国共産党を握る習近平氏、国民生活を犠牲にしてでも核の力でかき回すプーチン氏と金正恩氏という四天王が跳梁跋扈する世界ではせいぜいトランプ氏の犬になるしかないわな。

 

現在、バチバチに火花が散っている米中貿易戦争は単なる選挙目当ての貿易戦争なのか、ローマ帝国VSカルタゴのような現・新覇権国家のつぶし合いなのか意見が分かれるところだと思うが、トランプ氏がそこまで深く考えているかどうかは別として、俺はもしかしたら後者のつぶし合いの可能性もあるのではないかと思い始めている。

中国が一方的に貿易黒字の蓄積し、知的財産を盗みまくり、購買力平価GDPアメリカを抜き去り、一帯一路を拡げて追い貸しして世界に港を置きまくるなどといった状況や、ぬるま湯のオバマ政権時代に中国が考えられないほどに国力を増強したことを考えると、焼け太りした中国を早めにつぶさないと大変なことになるとアメリカが考えても致し方ないところだろう。

これまでの歴史でも、スペイン・オランダ・イギリスといった覇権国、あるいは、ドイツ・大日本帝国ソ連といった挑戦国はぶっ潰されてきたわけである。

そして、本気で潰すとすれば、相手の骨を断つために自分の肉を断たれても仕方ないという覚悟があるということになる。

仮に、相手を潰すために自分の肉をくれてやる覚悟があるのならば「保護主義は結局誰も得をしない」という常識では推し量れないことになる。

現在の世界経済はそこまでは織り込んでいないので好調を維持しているが、仮にそういった展開になっていけば、世界経済は大荒れになる。

 

アメリカが、イスラエルサウジアラビアを手なずけ、ロシアと北朝鮮を懐柔して、中国とイランをどこまでガチでつぶしに行くのか目が離せない。

もちろん、上記以外の国は恐れるに足りない国である。

イランは「ホルムズ海峡を閉鎖するぞ」と日本にとって何よりも恐ろしいことを口にしだしたが、株価とかには影響出てないっすね。

中国は米中貿易戦争以外に、中国に進出しているグローバル企業という人質を持っていて、民主主義国家では考えられない陰湿な嫌がらせを仕掛けるだろうからアメリカ相手にタダでは引き下がらないだろう。

もしかしたらアメリカは台湾承認のような禁断のカードを切る可能性もあるかもしれないが、そうなると戦争になっちゃうか…。

日本は大東亜戦争に続いてプラザ合意など80年代にもつぶしにかかられて、今なお後遺症を引きずっているが、今の中国は往時の日本の比ではなく、かつ、軍事面ではともかく経済面ではソ連以上の本格的な挑戦国だし、民主主義国家でない一党独裁国家がヘゲモニーを握るのは悪夢だし、経済が荒れるのも嫌だから困ったものだのう。

 

上海にて