GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

原理原則性のないその場しのぎの法律からなる国家機構

最近、本ブログで法律にケチをつけることが増えているが、根は同じなので、そこについてまとめ的なことを書き留めておく。

 

サラリーマンの妻の収入が130万円以下であれば年金保険料と健康保険料を支払わなくても年金制度と健康保険制度の便益をフルに享受できる第3号被保険者制度は、負担なくして受益ありの制度であり、女性の社会進出を妨げ、最近流行りの言葉である生産性を著しく落とすので止めるべき、そしてこの制度に最も固執するのはおそらくは専業主婦からなる婦人会を擁す公明党であろうということは先日述べた

 

とはいえ、法律は抜け穴を埋めるためにその場しのぎで少しずつ加えられていくものなので、一部の穴を残しつつも全体的にはバランスがとられていくものであり、穴も少しずつ塞がれていくものなのだが、既得権益を守ろうという勢力の抵抗に屈して残されている穴の代表格がこの第3号被保険者制度であろうと思う。

 

農家へのおかしな補助金なども同じで、アンフェアな制度であっても票田になる既得権益を剥がすのはとてつもなく難しい。

そして、そういったアンフェアな制度がたくさんあることを学べば学ぶほど、国家機構のやっていることの原理原則のなさに違和感を覚えるのである。

アメリカのトランプ大統領を見ているともっと露骨なので、これは何も日本だけの問題であるともいえない。

 

また、「全体的にはバランスがとられていく」と述べたが、それはこういうことである。

第3号被保険者の専業主婦のいる家庭はほとんどが子育て世帯であり、また、0歳児一人を預かると月に40万円の税金が投入されると聞くが、社会保険料をおまけしてあげるだけで、その家庭は子育てという最強の社会貢献を成してくれ、かつ、自宅で保育をしてくれることによって月に40万円の歳出削減に協力をしてくれているわけであり、育休・産休にともなう社会負担も伴わず、全体としてはおまけ以上の貢献をしてくれているということである。

なお、GDPには寄与せずとも社会には貢献するボランティアやPTAなどの受け皿もこの層が負ってくれている。

ただし、その専業主婦の生涯に渡る年金保険料と健康保険料の面倒を見てあげてペイするかといえばもちろん否である。

また、夫500万円+妻500万円の収入の世帯より、夫1,000万+妻0円の収入の世帯の所得税のほうが断然高いのだが、103万円の配偶者控除はこのあたりの是正に役に立っている。

なお、自営業の専業主婦は第3号被保険者制度の恩恵には預かれず、サラリーマンの専業主婦だけがこの制度の恩恵に預かれるわけだが、税金の捕捉率は自営業は…割なのに対して、サラリーマンは10割である。

このように洗い出すと絶妙にバランスが取れている気はするのである。

 

しかし、ここでおかしいのは、子供が0人・1人・2人・3人とで貢献具合は全く違うのに便益が全く同じということであり、本来は税金を投入すべき部分なのに年金保険や健康保険に肩代わりをさせているという点である。

国家権力で恐喝をして払わせているわけで、こういう無茶なゴリ押しをするから国家機構に対して耐え難い不信感を抱くのである。

また、500万円+500万円の世帯より、1,000万円+0円の世帯の税金が高いという問題は配偶者控除などという小手先の方法で是正を図ろうとするのではなく、世帯収入と個人収入のどちらに課税するという考え方を採るのかという原則で課税するべきであり、配偶者控除という制度は失業保険と並んで怠けることを助長する制度としか思えないのである。

 

俺は高齢世代に基礎年金として月額55,464円を支給するのならば、社会の持続のために不可欠な未来の労働世代になるであろう子供に対して、少なくとも年金と同額、願わくば、子供一人につき月額10万円ぐらいの現金を成人する時まで配れば良いと先日に述べた。

もちろん、財源は保険制度等からではなく税金からにするべきである。

現金給付よりも学校の無償化や給食の無償化や各種助成金のような現物支給のほうが「合理的=親がパチンコに行かない」という考え方もあるが、先に、0歳児保育には40万円の現物支給が必要と述べた通り、現物支給というのは想像以上に高コストになりがちであり、10万円の現金給付のほうがずっとコストが安くつき、親も喜ぶということでWin-Winであろうと思うのである。

また、現金給付を行うためには移民はほぼ受け入れられないし、不正受給は徹底的に潰す方策を練るという前提が必要になるのは言うまでもない。

 

アメリカでは産休や育休は無給であるが、これは筋は通っているものの、批判されがちである。

それに対して日本では、産休は健康保険制度、育休は雇用保険制度に給与に準じた負担をさせているわけだが、これも本来は税で賄うべきであり、これを国家によるゴリ押しと言わずして何と言うのだろうかと思う。

もちろん、企業が祝い金を出したり、子供に手当をつけたりするのもおかしな話である。

ところで、子供が小さい時は発熱や体調不良で保育園に預けられずに親が休まなくてはならなくなることが度々ある。

大企業ではそういうことはないと思うが、俺が中小企業の社長なら、産休や育休を取られるだけでも相当な負担なのに、母親にそういった理由で頻繁に休まれると困るので、同じ能力であれば男を雇うと思う。

なので、ここで必要な施策があるとすれば、子供の病気に伴う休みの日数は夫婦平等にするよう罰則規定ありで義務づけるという施策であろうと思う。

こういった考え方こそが原理原則に沿った考え方だと思うのである。

 

原理原則に沿わない法律を次から次に作る態度は、筋を通してシンプルに生きる人に近い態度ではなく、全員の主張を細かく調整して玉虫色の決着を図ろうとする人に近い態度だが、 そういった態度で決着を図ろうとしても矛盾は消えるものではなく、むしろ、社会に数多くの歪みと時代錯誤をもたらすように思う。

タクシー会社に免許・整備等で厳しい規制をしてしまっているために、今さらUberを認めたら、タクシー会社から「俺たちは何のために規制を守っているんだ」と言われるから日本ではUberを認可しないままであり、ここに受益者の利益はない。

厳しい旅館業法を守っているホテル業界も同じだから、民泊には年に180泊までという嫌がらせのキャップを被せてホテルに報いるというバカバカしい事態になっている。

税制度についてケチをつけ始めたらいくらでも書いてしまうが、総合課税率の高さと、資産課税率と分離課税率の低さを見ると、誰がむしり取られているのか、どういう層が優遇されているのかがあからさまにわかってしまう。

パチンコについては何度も述べているので食傷気味だが、これが警察の利権になっているのだから裏口入学も顔負けである。

そういえば、先日、吉原のソープランドの経営者が「売春防止法違反の疑い」で逮捕されたのにはマジでビビった。

理容室と美容室、保育所と幼稚園についてはもはや何も言うまい。

最近問題になっている中国人などによる日本の高額療養費制度の乱用や、中国で出産した中国人による出産一時金の受け取りも制度設計が性善説にできているから、抜け目のない外国人に穴を突かれるわけで、悪いのは法制度である。

ふるさと納税制度は経済学的には悪くない制度だが、受益者負担の原則から逸脱している。

 

そして、何よりも日本は憲法9条がおかしいのだが、それを平然と破って平然と軍隊を持っているのに、日本には軍法会議がない

また、戦前の日本の軍刑法では、戦時における敵前逃亡は最高刑で死刑だったが、現在の自衛隊法では「7年以上の懲役または禁錮」とかなり罪が軽くなっている。

そして、自衛隊が戦闘で敵を殺してしまった場合には一般法で裁くしかないわけである。

 

原理原則に沿ったシンプルな設計ではなく、次から次へとその場しのぎの法案を作って、デタラメばかりをやっているから国家機構に対して素直に従おうという気がなくなり、むしろ、穴があればそこにつけ込みたいと思うようになるわけである。

かつて、ジョン・F・ケネディは「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい。」と述べたが、国の原理原則を欠く態度に対して白けてしまい、とにかく法に反さなければ何でもありだわなと人は思うようになるわけである。

話はずれるが、一級河川を管理する国に長年に渡って河川工事の陳情をし続け、やっとの着工を控えた矢先に小田川が決壊して大きな被害に遭われた岡山県倉敷市真備町の被災者の無念を思うとなおさらいたたまれない気持ちになる。

そして、本日発売のCasa BRUTUSの特集が「瀬戸内シティガイド」であったのにはさすがに驚いた。

 

先日、俺は法学部を出ていて、何も勉強をしていないと述べたが、法律なんてものは人生経験を積んでから学んだほうが、「あれ?」っと思うことがどんどん出てきて楽しめたのだろうなあと今になって思う。

しかし、歳を取ると記憶力や根気が低下するし、モチベーションも下がりがちなので、世の中はそう簡単にはいきませぬわなあ…。

 

【追記】

2018年7月19日追記。

アメリカには保育における公的は補助はなく、0歳保育だと30万円程度の費用がかかることはざらなようである。

これはこれで公正な考え方であるともいえるように思う。

子供一人につき、月額10万円を支給し、0歳児を預ける場合には30万円を取るというような考え方はありだと俺は思う。

 

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