10名の人生模様
45歳のAさんからGさん、50歳のHさんとIさんという架空の10名の男性の人生模様を勝手に想定して考えてみた。
あくまでモデルとして極端な例を挙げてみた。
Aさん
Hさんの会社の従業員。
高卒、独身。
低賃金、中時間の肉体労働、狭い賃貸アパートに独り暮らしで、通勤時間は短め。
アイドルとアニメとクルマとパチンコとタバコと酒にお金を使ってなかなか貯蓄できない。
コンビニ弁当ばかり食べて、肥満気味で毎回健康診断に引っかかっている。
Bさん
Hさんの会社の従業員。
高卒、既婚、子供が3人もいるため妻は働いていない。
低賃金、長時間の肉体労働、賃貸アパート暮らしで通勤時間は長め。
子供が多く、妻は節約をがんばっているが生活は厳しい。
Cさん
Hさんの会社の従業員。
高卒、既婚、妻はパートで働いており、子供が2人。
低賃金、長時間の肉体労働、賃貸アパート暮らしで通勤時間は長め。
家族がいるのに何よりもクルマが大好きで、多額のクルマのローンを抱えており、家計のためにパートをしている妻にクルマのことを良く思われていない。
Dさん
Hさんの会社の従業員。
大卒、既婚、妻もバリバリ働いている子なしのDINKS。
Dさんはオフィスワークで、仕事ができるため賃金は高め、かつ、仕事を早くこなすため労働時間も短め。
アフターファイブはオシャレな店で食べ歩いたり、ライブに行くのが大好きで、ワインも大好き。
職住近接のタワーマンションを35年の住宅ローンで購入して住んでいる。
「それなりに稼いでいるのだから、いいものを身に着けないと」と言って、服などはブランドものを身に着けており、都心に住みながらクルマも所有しているため、貯蓄は少ない。
Eさん
Hさんの会社の従業員。
大卒、既婚、妻はパートで働いており、子は3人。
オフィスワークだが、賃金は中程度にとどまっており、長時間労働、長時間通勤。
子供の教育費用がかかる上、購入した郊外の戸建てローンも抱える。
家族のためにがんばる日々だが、毎日ヘトヘト。
Fさん
元Hさんの会社の従業員。
大卒、既婚、妻も働いており、子は1人。
Hさんの会社で早い段階から勤めていたこともあって、ストックオプションの利益があって、一気に4,000万円の売却益を得て、昔から夢だったカフェ経営をどうしてもしたくなってHさんの会社を辞める。
ところが、カフェ経営が上手くいかず、地代を払うと全く利益が出ない。
利益が出ないことに焦り、思わず投機性の高い投資に手を出してしまって、損を出してしまい、カフェも手放す羽目に。
今さらHさんの会社に出戻るわけにはいかず、再就職もなかなか厳しく、夫婦仲は険悪気味になるも現在は妻が主に働き、Fさんは就職活動をしながら子供の世話や家事を主にしている。
Gさん
元Hさんの会社の従業員。
大卒、既婚、今は妻ともども無職、子は1人。
元来が質素なタイプで、夫婦とも質素な暮らしを好む。
実家暮らしだったこともあって、22歳の時から毎年200万円をがんばって貯蓄に回し、結婚をした30歳以降は夫婦合わせて毎年300万円を投資に回し、45歳までに合わせて6,400万円を投資につぎ込んできた。
世界インデックスへの投資などで、毎年5%=税引き後4%の利回りで複利運用した結果、45歳で1億399万円にまで殖やせた。
今後も毎年5%でなら運用していけるという自信と運用スキルを得たこと、夫婦とも仕事があまり好きではないこと、夫婦それぞれ打ち込みたい趣味があることが理由で、子供はいるものの、Hさんの会社を退職して夫婦でアーリーリタイアをした。
それと同時に郊外にとんでもなく安くで売られていた中古の戸建を購入して移住。
今後は5%で運用することを仮定し、1億円の4%の400万円以内で生活をまかなうこととするが、質素な生活を好むのでそれすら使いきらず、むしろ、アーリーリタイア後も資産は増え続けそうである。
なお、子供の学費を含め、いざという時は1億円を切り崩せばどうにか逃げ切れるだろうと算段している。
ただし、資産課税の時代が来たら怖いと思っている。
Hさん
サラリーマン時に起業を志し、そのための資金をコツコツと貯めていたところ、資産家のIさんから出資を得て起業。
がんばった甲斐があって上場し、時価総額にして10億円分の自社株を保有するが、筆頭株主として引き続き経営に携わる。
上場で多額の資産を得たものの、元々が個人商店的な会社だったので経営業は相変わらず忙しく、上場したこともあって、業績や株価を思うと毎日胃が痛い。
経営業は充実しているものの、引退後にやりたいと思っていることはある。
とはいえ、後進に道を譲ろうにもまだ後継の人材が見当たらない。
上場したことで、DさんやEさん達より優秀な若手が入社するようになったことは救いだが、おそらくは次期経営者は外部から引っ張ってくることになるかと思っている。
Iさん
元々資産家で、Hさんの事業プランに可能性を感じ、Hさんが起業する際に多額の出資を申し出た。
Hさんの会社が上場した際に株式を手放し、20億円の売却益を得る。
他にも投資をしているが、投資以外には特に何をするでもなく、Gさんと同様に好きなことをして生活しているが、資産家なりに周囲は放っておいてくれないし、持て余すお金の運用について考えざるを得ない面もある。
人生をデザインするうえでの要素
こうして10名の方の人生模様を勝手に思い浮かべてみたが、人生をデザインする要素は以下のような要素を組み合わせてするものなのかなと個人的には思う。
周囲の様子や世の中の常識にとらわれることなく主体的にデザインすれば、なかなか大胆な人生を歩むことも可能なのではないかと思う。
仕事の客観的要素
- 仕事がきついか、外か室内か、肉体労働かオフィスワークかなど
- 仕事のストレスはあるか、経営職・接客業・営業職・間違いが許されない仕事・ノルマ有無など
- 転職可能なスキルを有しているか、会社に運命を委ねずに済むかなど
- 給料は多いか
- 労働時間は長いか
- 通勤時間は長いか
仕事の主観的要素
- 人生において仕事の占める割合は高いか低いか
- 仕事がそのものが好きか
- 仕事の人間関係は良好か
- お金のために働くのか、それ以外の要素のために働くのか
仕事以外の人生要因
- 健康か
- 結婚をするか
- 子供を持つか
- 人生においてどの程度の自由時間が欲しいか、お金と時間のどちらが欲しいか
- 楽しく思えること・好きなこと・ワクワクすることはあるか、それは仕事かそれ以外か
お金の使い方
- 消費したりいい家に住むのが好きか、質素な暮らしが好きか
- 得たお金を使ってしまうか、貯蓄や投資に回すか、住宅ローンの利子をどう払うか
- 上手く投資して元本を増やしていく発想やスキルを持っているか
多民族の環境にいると人生は人それぞれだと簡単にわかるのだが、日本にいると…