GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

決済について思うことと、仮想通貨のわからなさ

 

決済について思うこと

10年以上前に練馬区に住んでいた頃、オーケーストアというとんでもなく安いスーパーがあって使っていたのだが、うちの近くにも来ないかなと思っていたところ、隣の江東区にできていたようで、自転車を20分漕いで買い出しに行った。

 

200円を払ってそこの会員になると生鮮食品を中心として3%程度の割引を受けられるのだが、決済は現金に限るようで、やはり、ここまで廉価で販売するスーパーはギリギリでやっているのだなと逆に感心した。

実際に生鮮品以外は他を全く寄せつけない安さを誇るのだから現金決済でも納得できる。


世界でも突出した現金流通量と現金決済率を誇る日本人の現金好きは相当なものだが、結局、クレジットカードというのは店側から手数料を取ることとリボ払いの金利で成り立つビジネスであり、その利益から経費や他国より断然充実している保証金・ポイントバックや付帯保険など会員特典といったものを引いて利益を出していると思われるのだが、さらに日本は他国と違って年会費がタダであることが多い。

そこまでやっても日本人はとにかく現金が好きなのだから仕方ないけど、それだけユーザビリティを上げているということは、それだけ他国よりも店側から多く取らないとやれないのだろうと思う。

店側の負担率をネット上で調べたら、飲食店では5%程度、小売店では4%程度、デパートでは2%程度、コンビニなどでは1%程度、夜の水商売などの加盟店では10%の場合もあるとあった。

海外の手数料は知らないが、海外でこれほどまでにクレジットカード決済が進んでいるのをみるとおそらくはここまで高い手数料というのは日本独自の事情だと思う。


潔癖症で、かつ、ダマの臭いが嫌いな僕にとっては極力現金に触れたくないし、財布に小銭がじゃらじゃら入っているのもシンプリストとしてはとても嫌なので、個人的に世の中がキャッシュレスになっていくのは歓迎すべきことなのだが、手数料分だけ店の利益が減る、もしくは、手数料分だけ商品が高くなると考えるととても複雑である。


ところで、店側が取られる手数料をネット上で調べたところ、デビットカードの手数料は2~3%、プリペイド電子マネーの手数料は2~5%のようで、現金以外の決済は店側に負担がかかるわけだが、ネット上での決済が進めばカード決済比率は上がらざるを得ないし、実店舗においてもレジでのセルフカード決済が進めて、決済のための人件費を減らしていくのが得策だと思うし、そうなれば利用者にとってもありがたいように思う。


ところで、僕が住む勝どきという街には、デリドという駅上のスーパーと、文化堂という駅地下のスーパーがあるのだが、少し前に、駅から2分程度歩いた場所に東武ストアができた。


僕はこれまでデリドを愛用してきたのだが、今は完全に東武ストアにばかり行くようになった。

ちなみに、文化堂は安いのだが、店が狭くて古いのと家と反対方向なので特売の月曜日に野菜を買うとき以外は使っていない。


東武ストアに行くようになった理由を端的に言うと、カード決済ができるからであり、デリドでは持っているカードで決済ができないからである。

デリドも本当はJCBのTカードのみ使えるのだが、何を勘違いしたのか僕は「Tカードを作ればデリドもカード決済できるのだな」と思ってデリドで使うためだけにVISAのTカードを作って、満を持してレジにTカードを出したらTポイントだけつけてくれて、一向にカード決済してくれないので、「Tカード使えないんでしたっけ?」と聞いたら、店員さんもこの種の対応に疲れていたのだと思うのだけど、JCBのTカードだけです」実に乾いた口調で回答があり、それでなんだかやりきれない気持ちになっていたところ、東武ストアができて、こちらもTポイントはつくし、カードでセルフ会計ができて断然便利なので、ほんの少し歩いたとしても今は断然東武ストアである。

ちなみに、価格競争的には若干東武ストアのほうが安い気がするけど品によるかなといった程度である。


つまり、圧倒的に安いオーケーストアの場合は、家から自転車で20分かかろうと、カード発行手数料をとろうと、現金しかダメでも全然OKで、価格が似たり寄ったりの場合はカードかつセルフ会計の東武ストアを自然と選んでしまったということです。


それと、これだけは書いておきたい。

日本人に海外のチップ制度を煩わしく思わない人は皆無だと思うのだけど、レジでなく席で会計し、ウエイターやウエイトレスが代金を回収したり釣りを持ってくるのをひたすら待ち、さらに妥当と思うチップをあらかじめ用意しておかなければならない、というやりとりがあまりに面倒くさくて仕方なくて、あの面倒くささと間延びした感じが嫌だからレストランなんか利用しないほうがマシと思う人は多いと思う。

時間に追われている観光地ではなおさらである。

欧米とアジアで外食利用率が大きく違う理由には外食産業の人件費や水がタダでないこと以外にチップ制度のせいという要素があると思う。

いくら欧米で電子決済が進んでいるよという記事を読んだところで、チップ制度が残っている限り僕は日本人で良かったと思うわけである。


仮想通貨のわからなさ

最近、仮想通貨の話題が世の中を賑わせている。

株式取引やFX取引を長いことやっているのでビットコインなどの取引のテクニカルな話や概要は理解できるが、それでも、僕は仮想通貨全体の話についてはあまりわかっていない。

ただ、この大きな話題の前では、電子マネー・電子通貨・電子決済・キャッシュレス・電子ポイントといった話題はテクニカルな些事にすぎないようにすら思う。


仮想通貨の特徴は発行主体がなく、フィンテック技術の一つであるブロックチェーンというデータベースで通貨を管理をするという点なわけだが、この言葉をそのまま受け取ったとしたらこれはものすごいことではないかと思うのだ。

金本位制度終了後の管理通貨制度における政府の国債への信用の上に成り立つ従来の法定通貨と同じように、これまでとは全く違った新しい信用概念が世界中で適用されるようになるのならば、従来通貨や中央銀行や銀行の存在そのものが脅かされるのではないか、送金やマネーロンダリング対策や課税はどうするのか、などと考えると凡人にはあまりにわけがわからなくて頭がウニになりそうになるのである。


ましてや中央銀行が仮想通貨を導入するという話もあるぐらいで、そうすると中央銀行が発行する法定通貨と仮想通貨の違い、中央銀行が発行する仮想通貨とこれまでの発行主体のない仮想通貨の違いや信用はどうであるかだとか、仮想通貨に対して中央銀行のコントロールは効くのかだとか、中央銀行は銀行の銀行や発券銀行ではなく単なる電子銀行になるのであろうかだとか、アダムスミス以来の近代経済学の駆動エンジンともいえる銀行の信用創造システムはどうなるのだとかマジでわかりません。


今は、博打だったり、カネ余りだったり、行き場のない隠れマネーが集まって投機的な動きをしているように思うので値動きが激しいわけだが、仮想通貨も通貨である以上、他の通貨との間に値動きがあるのは当然である。

とはいえ、ある程度安定しないと一般的な通貨としての基本要件を満たさないわけだし、国債への信用のような実体がないのに何を持って安定するのかもわからないし、マイナーだとかマイニングの電気代が云々だとか誰かの「僕ちゃんのお客さんのコインをなくしちゃったよ~」だとかいうようなしょぼい話が出ているうちはない話だと思う。

 

また、信用創造によってGDPを積み増して総量を膨らませる貨幣世界に対して、総量が変わらずその価格が変わるという部分や、通貨の信用の質の相違についてどう折り合いをつけていくのかはわからないが、仮に、仮想通貨が世界共通通貨のようになったというファンタジーを想定した場合、現金決済の必要性が縮小していくなかで特に弱小国の法定通貨が国内外に無視されることも想定できるわけで、それが各国の金融政策・財政政策・経済政策に与える影響やそれによって見えてくる世界がどのようなものか等々、俺のポンコツ頭では全くわからんちんなのです。


とにかく、金や国債をバックとした貨幣の信用という従来の経済の根幹なしてきた部分を、ブロックチェーンという新しい技術によって大きく覆し始めたようにも思えるわけで、AIが進化しまくった世界を考えるのと同じで、考えれば考えるほどパラダイムがぶっ飛んでいる気がするのです。


ブロックチェーンにしても評価経済にしてもシェアにしても相互監視というものがイノベーションの鍵になっている気もします。


なにせ頭が良くないため、難しいことを考えるのは苦手だし、今回は恥ずかしくバカなことを書いているのかもしれないのですが、世の中に大きな変化が起きるにはまだまだ先は長いと思うので、これから少しずつ理解していければと思っています。

 

【追記】

2018年8月20日追記。

勝どき駅周辺のスーパーは東武だけでなく、デリドも文化堂もフジマートも全てクレジットカード決済が可能になりました。