外国を旅するうえでのかなり大きな醍醐味は現地の匂いを嗅ぐことだ。
逆を言うと、日本に居ながらにしても匂いを嗅ぐだけで外国に脳内トリップしてしまうことがある。
そういう意味で、俺は外国料理屋の前を通るのが大好きである。
家でも同じように食材の匂いを嗅いでトリップする手段を見出している。
とはいえ、何でも良いわけではない。
タイは大好きな国だが、ナンプラーの瓶は開けて嗅がない。
パクチーは一般化した感じがするからもはや異国を感じない。
メンマの匂いも中華圏を彷彿とさせるが、やはり一般化している。
やはり脳内異国トリップにはクミンシードが最強である。
電車の中で似たような体臭がしたら嫌な気分になるのに、クセになって密かに何度も嗅いでしまう。
ナツメグやガラムマサラなどもなかなかいい感じだが、やはりクミンシードがベストである。
クミンシードは多くの国で使われているのに日本にはなかなか根づかないがやはり体臭を彷彿とさせるからだろうか。
ニンニクを例に考えればクミンシードありきで体臭に変化する面もあるのだろうとは思うが、クミンシードを食べるからああいう臭いがするのか、もともとああいう臭いなのかはナゾである。
でも、多分後者だからあまり食べ過ぎないほうが良いのだろうと思う。