前に自分の中で「IKEAショック」と呼ぶべき出来事があったのだが、船橋付近の谷津干潟を散策したついでに久しぶりにIKEAに立ち寄った際に、何も欲しい物がなくて手ぶらで帰ってきてしまったというだけの出来事である。
似たような商業施設はいくらでもあるので、隣のららぽーとに行って欲しい物が何もないのならともかく、IKEAに行って一つ何も欲しい物がないなんて我ながら末期症状だと思った。
我が家はどこに旅行に行っても大抵何も買わずに帰ってきてしまう。
買う気満々で北欧旅行をしても蚤の市で200円程度のロイヤルコペンハーゲンのアンティークの小皿を2枚買っただけ。
昨年末のアンコールワットでは何も買わず、昨夏のモロッコではアルガンオイルなどの消耗品しか買っていない。
デザインやインテリアは好きでインテリアショップやデザインの展覧会にはちょくちょく足を運ぶほうなのにそうなのである。
もし、世の中の人が僕のようになってしまったら雑貨屋はやっていけないだろう。
当然のことだが、こんな僕でも食料と日用消耗品は当然ながらコンスタントに買うので、コモディティは強いなあと思う。
しかも、これと決めたらとことん同じものばかりを使うので僕に見染められた商品は継続して買われるのだからラッキーである。
ガムだったらクロレッツ、デンタルフロスだったらジョンソンのリーチという具合にである。
どのようにモノを売る工夫をしているのか是非とも見てみたいと思って、先日、二子玉川の蔦屋家電に行ってきたがその売り方の工夫の数々には舌を巻いた。
でも、あれほどまでに工夫されても隅から隅までじっくり見た挙句、僕は何も買わなかった。
全く逆のパターンでせっかく魅惑的なモノを売っていても極端に買う気を無くすのは地方の魚市場だ。
新鮮で美味しそうな海産物を売っていて、一つぐらい買って自分や身内宛に送ってもいいなあと思っても、同じものを売る売り手がたくさん存在して、どれが良いか選びきれず、しかも買って買ってと店員がしつこく、何より客の数に対して店が多すぎるのでゲンナリして何も買わないことが多い。
海外の土産物屋も同じ理屈で全く食指が伸びない。
売り手が一言でも言葉を発したり、価格交渉制だったりしたら、その瞬間に全ての売り物から視線を外して拒否してしまう。
売り手が積極的すぎても選択肢が多すぎても駄目なことはマーケティングの基本なのだろうが、それによって商機を逸しているパターンは多すぎな気がしている。
そして、築地場外はこのパターンに当てはまらない。
地方の魚市場ほど新鮮ではないのだと思うが、そんなに売り気がないし、商品も多種多様だし、何といっても店以上に客が多いので、地方の魚市場より値が張ろうと新鮮でなかろうと何倍も購買意欲をそそるようにできているように思う。
僕は行列や人ごみが苦手なので近所でなのに決まった店でしか買わないのだが。
いや~、僕にモノを売ることって大変だなと思う今日この頃です。
念のため言っておくと、モノは買わないけど、飲食とか旅行とかには金を使うので金が貯まるというわけではありませんのであしからず。
コペンハーゲンで買ったロイヤルコペンハーゲンのアンティークの小皿