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社会全般について思ったことをここでつぶやいてます

ロシア・フィンランド・スウェーデン・デンマーク

視察の旅へ
 
幸福度や所得や福祉などの指標や社会の先進性において常に世界における優等生の地位を占める北欧は自分の中では常に気になる存在であった。
高税率だが高福祉、教育・病院・介護などはタダで、老後の生活の心配はなく、刑務所に服役する囚人の人権にすら異常に寛容な国々だと頭には入っているが、どんなふうな街でどんなふうな社会が目に入るのか、いつか見に行かなきゃなあとは思ってきた。
ところで、日本でも幸福度指標が高いのは福井県富山県だったりするが、寒くて冬の日照時間が短いような地域においてこれらの要素が逆に抜きんでるという事実には関心を持たざるを得ないし、夏とはいえ、北欧のそういった風土というものを肌で感じてみたいとも思っていた。
しかし、北欧はこれまで回ってきたような地域と比べると観光視点で行きたいと思わせる要素があまりに弱い(そして実際にその通りなのだが…)。
まず、物価が高く(どこも消費税率は25%ぐらい)、夏なのに涼しすぎ、食文化にも魅力を感じず、文化財に関しても同様で、バリ島やアンダルシアやサントリーニに感じるようなエモーショナルな情緒もない(冬に行けば逆に情緒はあるような気はするが寒くて行きたくないし…)。
かつ、北欧5ヵ国の総人口はわずか2600万人程度で、国と言ってみたところで各々が埼玉県や千葉県レベルで、全て合わせても英仏伊各々の半分、または、日本の4分の1以下の規模しかないエリアを、わざわざ文化圏としてとらえるほどの価値はあるかなあと思ってきたのだが、やはり先に述べた指標やデザイン産業におけるプレゼンスは無視できないと思ったのと、必ず一度は行ってみたかったロシアおよびサンクトペテルブルクを旅程に加えることができたので、ノリノリというわけではなかったのだが、サンクトペテルブルクに引っ張られて北欧に行ってみる決心を固めたのであった。
というわけで、サンクトペテルブルクに関してはロシア事情視察がてら観光のつもりで行ったが、北欧に関しては観光というよりむしろ視察のつもりで出かけた(地方議会の議員みたいですな)。

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機中

2015年7月10日~2015年7月11日
 
昨年同様に深夜羽田発の中東経由便だが、今回は各方面で評判の高いエミレーツ航空を利用。
一昨年はエティハド航空、昨年はカタール航空を利用したが、個人的にはエティハド→カタールエミレーツの順で評価している。
年々利用する航空会社の評価が下がるのは無念だが、中東便では飛行機の居住性・食事・添乗員ともにエティハド航空が良かった(期待を大きく裏切る良さだったので印象に残っているだけかもしれないが…)。
そもそも飛行機会社にあまり期待なんぞしていないのだが、今回乗ったエミレーツ航空の4つの便に関しては乗務員の態度はどの便も全体的にガサツすぎるような印象を持った(たまたま今回がそうだっただけだと思う)。
例を挙げれば、着陸前に回収する毛布やヘッドフォンをひったくるように回収する所作や、飛行機が揺れた際に僕の膝に水をこぼしてもろくに詫びもなく、座っている乗客に何度も尻をぶつけておいて一言もないことなどである(セクシー尻をぶつけられた僕が礼を言うべきだと言われればもしかしたらそうなのかもしれん…)。
悪印象を持ったというわけではないものの、こういった所作のガサツさは国際的には標準に入る部類なのだろうが、日本人としてはガサツと感じざるを得ないだけの話だし、外から見て日本という国のどこが最大の長所かといえばこのガサツさがない、もしくは弱いという点ではないかという思いを海外に行くたびに強くしているぐらいなので仕方ない面もある。
 
病気だったり嫌なことがあったりすれば別だが、いずれにせよエコノミークラスに座る限り、飛行機に10時間近く乗ることより辛いことは一年の中でそうそうない。
おそらく山登りなどはそれより辛いのかもしれないが、山登りは絶対にしないのでやはり飛行機が一番辛い(笑)。
ところで、先に、エティハド航空がいいと書いたが、アブダビ空港は一番ダメダメというか、UAEの首都でありながら狭くて何もない(モスクはあるけど)。
中東で空港が最も充実しているのはカタールのドーハかなあという印象。
あの大都市を有するドバイのことだからとドバイの空港には相当な期待をしていたのだが、到着したターミナル3はそうでもなかった。
今回、エミレーツ航空に乗って良かった点は、座席の奥行きが若干広い気がしたことであるが、身長の高い僕にとってこれは最重要事項でもある。
余談としてあと一つ書いておくと、ドバイは富裕国なのにも関わらず、本を読めば男女完全隔離型の結構ハードなイスラム社会のようで、とてもとても女性が積極的に外で働くような国ではないように見受けたのだが、そうなるとキャビンアテンダントのほとんどは外国人と思われるわけで、仮に、外国人女性がキャビンアテンダントを務めるのは構わないが、自国女性が務めるのはとんでもないと考えているのだとすればそこには自己矛盾を感じざるを得ない。
まあ、空港にある飲酒スペースにしても同じなわけだが、異教徒はイスラム教徒につき合って断酒したくないし、ラマダン中に断食するなどということはあり得ないのだから、こちらに関してはありがたく思ってもいる。
 

サンクトぺテルブルク

2015年7月11日~2015年7月14日
 
ロシアの2014年におけるドル建て一人当たりGDPは12,926ドル、一人当たりの購買力平価GDPは24,805ドルとなっており、一時期はインフレが進んだロシアではあったが、ルーブル安によってこれだけの名目GDP購買力平価の乖離が生じているようである。
ところで、2013年の一人当たりのGDPは14,469ドルで、2015年はなんと8,184ドルにまで下がっており、経済制裁下によってルーブル安がいかに急激に進んでいるかがわかる。
なお、日本も2014年は相当な円安水準にあるのだが、一人当たりGDPは36,332ドル、一人当たりの購買力平価GDPは37,390ドルとなっている(この数値は今回の他の訪問国との比較にも使うのでお知りおきを…)。
長らく物価が高いと言われ続けた日本において購買力平価が名目GDPを上回るようになってしまうとは、長年のデフレと円安(そりゃ民主党政権時の1ドル80円の時と比べたらドル建て名目GDPは2/3に減ってしまいますからね)の効果を感じずにはいられない。
 
サンクトぺテルブルグ観光の感想をかいつまむと以下の通りである。
言わなくてもわかるがエルミタージュ美術館はとてつもなく広くて豪華絢爛である。
広さはルーヴル美術館と似たり寄ったりと思われるのだが、ルーヴルは位置を把握しやすいこともあって全体を見ることができたと思っているのに対し、エルミタージュはその名が示す意の通り「隠れ家」なので入り組んでおり、全体を回るのは全く無理だった。
ロシア美術を展示してあるロシア美術館に対して、エルミタージュ美術館ロマノフ朝時代にエカテリーナ女帝などが必死に買い集めた西洋美術や世界中の美術を展示しているのだが、英仏の美術館・博物館のように略奪品を展示するのならともかく、購入して世界最高級のコレクションをこのような北の果ての僻地の都に集めるのだからすごい話だと思う。
収蔵点数はルーヴルの10倍の300万点ほどあるとかで、これは世界最大と言われるニューヨークのメトロポリタン美術館と同じぐらいである(メトロポリタン美術館も購入型の美術館)。
 
サンクトぺテルブルグは「北のヴェネツィア」と言われる街だが、その苛酷な気候はさておき、街中に張り巡らされた運河と明るい色に塗られたバロックの美しい街並みは、パリ・ウィーン・プラハと並ぶ見事さである。
教会建築は西欧と違って正教会の建築なので西欧と趣を異にしており、特に内部のモザイク画の規模と精緻さには目を見張るものがある。
ところで、サンクトぺテルブルグはピョートル大帝が300年前にバルト海に面する地盤のぬかるんだ沼沢地に都を作ると言って、多大な数の犠牲者を出して作った都なのだが、確かにバルト海に面している点では西に開かれていると言えなくもないものの、何故に、このような地盤の緩い地域、かつ、年間晴天日数が30日しかないような気の滅入る(これが理由で絶対に住みたくないと思う人は多いでしょうな)、かつ、北緯60度で冬はまともに日の出ない原野にこのような絢爛たる都を作ったのかと首を傾げざるを得ないが、内陸部のモスクワも冬はサンクトペテルブルク以上に極寒だし、シベリアはその比ではないわけで、ロシアって広いけどホントろくでもない土地の寄せ集めだよなあと同情を禁じざるを得ない。
しかも、気候は紛争かまびすしい南部の一地域以外は極寒で、人口は日本以上のペースで減っているというのにあのクソ広大な土地をどうにか管理しなければならないし(しかも国境を隔ててクソ人口の多い国がある)、ウォッカの飲み過ぎと思われる男性の平均寿命が60歳台そこそこだし(2005年に59歳だったのが2013年に66歳に上昇しているので前途は悪くないのかもしれないが…)、長らく続いた農奴制から解放されても共産党政権に長らく支配されるわ、政権崩壊後も今の通りだし、第一次・第二次世界大戦における死者数は最大だし、しかもそれ以上にスターリンに粛清された人は多いし、せっかく石油でウハウハになったかと思えばとんでもない金持ちが潤うばかりだし、このところはサウジアラビアの仕掛けで原油価格は長らく低止まりしているし、ウクライナ問題での経済制裁に苦しむし、意味なく核弾頭を保有していてその管理も大変だし、ロシアって何かと辛い国だよなあと思う。
サンクトペテルブルク文化財がすばらしく、エルミタージュやイサーク大聖堂や血の上の救世主教会がいかに立派で、文化がいかに花開いたかということについて、北欧とは比べるべくもないことはこの目で見て良くわかったが、それは両者の間で強制的な労働がどの程度あったかという話にも収斂してしまう気がするので逆に気の毒だったりもする。
 
以下、現地で気づいたことをつらづらと書いていく。
ロシア全体がどうかはわからないがサンクトペテルブルクは喫煙率が異様に高い。
また、自動車の運転においてはスピード狂が多い。
公道でウィリー走行をしているバイクなんてこれまで見たことがなかったがここでは見た。
サンクトペテルブルクの地下鉄の深さは世界一らしいがその深さは大江戸線の比ではなく、東欧と同じく異様にスピードの速いエスカレーターを下に降りるだけで3分以上の時間を要し、しかも駅と駅の間隔も妙に長い。
なお、エスカレーターでは右側に立つ(北欧もそうで、道でも基本的に右側通行)。
車の運転が荒いので意外と言っては失礼だが、地下鉄では皆無言でマナーも良く、車内で足を組む人もいない。
また、昔からホームドアが設置させているようである。
ホテルは快適だったがお湯からは赤サビが出ていた。
朝食ビュッフェは北欧よりずっと充実していた。
ロシアはおかゆを食べるようで朝食ビュッフェにも出ていた。
サマータイムがないのに日没22時過ぎで、日の出は4時前だが、深夜も真っ暗にはならなかった。
中国人は本当にたくさんいるが日本人はほとんど見かけなかった。
ホテルやレストラン以外では英語はほとんど通じない。
話しかけると男の人は怖くないがおばさんに怖い人が多く、地下鉄の窓口のおばさんは全員最悪の接客態度。
英語で話しかけて、意思がなかなか通じないと、手を横に振って叫んでキレる感じといったところか…(笑)。
物価に関しては日本よりチョイ安といったところだが、経済制裁ルーブル安になっていなかったらそうでもなかったのかもとも思う。
サンクトペテルブルクにはオープンカフェがあり、遊覧船がたくさん運行しているのだが、このようにとても寒い都市で何故に営業をと思わずにはいられない。
 

ヘルシンキ

2015年7月14日~2015年7月15日
 
フィンランドの2014年におけるドル建て一人当たりGDPは49,497ドル(日本の1.36倍)、一人当たりの購買力平価GDPは40,347ドル(日本の1.08倍)となっている。
他の北欧諸国よりは若干低いのだが、フィンランドのみユーロを用いており、自国通貨高になりようがなく、そういう意味で見事な所得の高さだといえる。
なお、フィンランドの2012年における国民負担率は62.4%である(国民負担率とは、国民の収入や国内企業の利益の合計額である「国民所得」に対して、消費税や所得税法人税などの国や地方の租税負担と年金や健康保険などの社会保障負担の合計額が占める割合を示すもの)。
なので、一人当たりGDPのうち30,886ドルが税金で、それ以外が18,610ドルとなる。
ちなみに、日本の2012年における国民負担率は40.5%なので、一人当たりGDPのうち14,714ドルが税金で、それ以外が21,618ドルとなる(もちろん物価は日本のほうが断然安い)。
 
フィンランドの歴史はスウェーデン6世紀、ロシアに1世紀にわたって占領され、独立したのが1917年で、王政を経験していないので、ストックホルムコペンハーゲンと比べると建造物や文化財に関して全く過去の蓄積を感じず、また、街もかなり小さかったので、観光的視点で言えば資源に恵まれていないと個人的には感じた(サンクトペテルブルクから来ればなおのこと)。
街の規模も鹿児島や熊本のほうが大きいと言える程度の規模で、ほぼ同人口とされるコペンハーゲンよりは随分こじんまりとした印象を受ける。
 
以下、気づいたことを書いていくが、まず、他の都市と比べて街中に小便臭いところが結構あったのだが立ち小便する人が多いのかなあと思った。
行った日が晴天だったので昼は22度まで上がり、日差しも強かった(それで臭いが強まったのかもしれない)。
なので、ヘルシンキで過ごした一日が今回の旅では最も天候に恵まれた日であった。
そういえば、トイレを街中にほとんど見かけなかったが、もしかしたら公衆トイレの類はないのかもしれないのだが、それで立ち小便する輩がいるのかもしれない。
 
売っているフルーツは気候の影響もあってベリー類の割合がかなりを占めていた。
物価は高いがモノによってはそうでもないものもあった。
ユーロを用いていることもあるからか、ストックホルムコペンハーゲンよりは安く感じた。
デパートもスウェーデンデンマークは東京と似たり寄ったりの20時頃までの営業だったが、ヘルシンキでは勤勉に21時まで営業していた。
北欧のデパートは北欧デザインの宝庫なので、どの都市でも結構片っ端から見て回った。
 

シリヤライン

2015年7月15日~2015年7月16日
 
ヘルシンキストックホルムは地続きなのだが、地図を見ればわかる通り、陸路で移動するのは現実的に無理と言って良い。
バルト海デンマークのわずかな海域のみが北海に面している地中海や黒海のように極めて閉鎖的なためおだやかな海なのだが、この2都市の直線距離は長くないのでこの区間がフェリー航路で結ばれるのは必然であり、需要も安定しているものと思われる。
そのため、この移動をこのような大クルーズ船で移動する一大レジャーにすることも可能なわけで、僕も一度は乗ってみたいと思っていたのだが、その願いが叶って乗ってみると、船は揺れないし、遊びはたくさんあるし(僕にとっては観察や探検のほうが遊びなのだが)、夕陽はきれいだし、住民にとっては免税で酒やタバコを買いこめるし、子供にとっては狂うほど楽しいだろうし、何といってもクルーズのためのクルーズではなく、極めて太い航路の移動をこのようなかたちに変えてしまうという意味で本当に良く考えられたレジャーだなと思った。
航路もただひたすら大海原を駆けるのではなく、意外と陸地に近いところを走るので景観の変化も楽しめるし、ストックホルムはかなり湾の奥にあるのでその周辺の落ち着いた入江と街並みを長時間に渡って眺めることが可能である。
また、料金も意外に高くないので十分な利用価値を感じた。
 

ストックホルム

2015年7月16日~2015年7月17日
 
スウェーデンの2014年におけるドル建て一人当たりGDPは58,491ドル(日本の1.61倍)、一人当たりの購買力平価GDPは45,986ドル(日本の1.23倍)となっている。
なお、スウェーデンの2012年における国民負担率は56.1%である。
なので、一人当たりGDPのうち32,813ドルが税金で、それ以外が25,678ドルとなる。
 
気づいたことを書いていく。
最大に衝撃を受けたのはトイレである。
トイレには男用の小便器があるところもあるにはあるが、男女とも個室の洋式トイレのところが多い。
そして、驚くことに男女が同じ入口・手洗い所から同空間に並んだ個室に入るというタイプのトイレも多いのだが(野外イベントの簡易トイレのようですな)、その際に下がかなり開いていたトイレがあり、これにはものすごく衝撃を受けた。
したがって、用を足す女性の足が外から見えてしまうのだが、大らかというか男女平等も行くところまで行くとここまでいくか!と驚く。
それなのに変にインテリア的なデザインに凝ってみたりするトイレがあったりするわけで、その辺の感覚の違いはおもしろいというか不思議である。
ちなみにオイラは大のほうの用を足すときにズボンとパンツを足首まで下げるので(じゃないと開脚が不十分にならないでしょ!しかも、僕は20代まではズボンもパンツも完全に脱がないと用を足せなかったアホ)、足首に挟んでビヨーンと広がったパンツが外から丸見えになるわけでこのトイレで大をするのは僕にとってもそれを見せられる被害者にとっても無理。
統計では喫煙率が低い部類の国に入るらしいが、その割に歩きタバコをしている人がやたらと多く、しかも女性のほうが激しいと思っていたら実際に統計を見ても女性の喫煙率のほうが高かった(男性19.6%、女性24.5%)。
また、ジェンダーフリーのなれの果てが、かつて日本で使われた「フリーセックス」につながるのかもしれないし、性行為も男目線ではなく男女とも同じく楽しむものとして位置づけられているのだろうと勝手に推測する。
 
北欧なので、食事の価格が高いのは仕方ないのだが、ストックホルムに関してはどこも量があまりに多すぎるように見えた。
たまたまかもしれないが、食べている人の皿とそこに盛られている料理の量が異様に多く見えたのだ。
先に述べたようにパワフルな女性もこの量を食べてしまうのだから大したものである。
また、他の2ヵ国よりもブロンド髪の人が多かった気がする。
肌の色の違う人も結構見かけた気がする。
スウェーデンはシリア移民などを積極的に受け入れたこともあるが、移民希望者はものすごく多そうなわけで、その中で運の良い人が移民として流入したのだろうと思う。
あと、街中でやたらとすっぱい臭いがしたのだが、ゴミ箱の中が腐っているのかは謎。
でもとにかくところどころですっぱい臭いがしたのが鼻の記憶に残っている(異様に鼻が良いもので臭いの話ばかりですんません)。
 
観光的視点で言えば、島になっている旧市街のガムラ・スタンおよび王宮は古い街並みが美しく残っており、見どころもここに凝縮している。
もちろん、個人的には街散策が好きなので、ガムラ・スタンの北側の市街地やエステルマルム地区、南側のセーデルマルムの散策も十分に楽しんだ。
ポップスグループのABBAの博物館などもあるのだが、ちょっと遠方にあるので気にはなったが足は延ばせなかった。
また、ヘルシンキもそうなのだが、いくらヴァイキングの末裔とはいえ、どうしてこんな小島だらけの湾に都を作ったのだろうと(日本であれば瀬戸内の海岸沿いに作るようなものですな)、情緒面では感心しつつも平野が広がるところのほうが街を整備しやすいだろうにとは思ったのだが、そのおかげで水辺が多くて美しいのはすばらしい。
とはいえ、地球の歩き方に「人間環境を大切にする近代的な計画理論にのっとって造られた都市」「商業的な同期に左右されず、高い理想を掲げ、都市計画の専門家たちが何世紀もかけて営々と造り上げてきた」と書いてあり、その一文が気になって、足を棒にして街中を見てきたのだが、そこまで絶賛するほどには感じなかったというのが正直なところである。
また、北欧るるぶ情報版に「(ストックホルムは)数百年間、自然災害を受けることも、他国の侵略や占領に見舞われることもなかった希有な都市」と書いてあったが、自然災害を受けたことないってどういうこと?そういう意味ではすごく良い立地を選んだものだとも思った。
 

コペンハーゲン

2015年7月17日~2015年7月16日
 
デンマークの2014年におけるドル建て一人当たりGDPは60,563ドル(日本の1.67倍)と驚異的な数字で世界6位。
この上はルクセンブルグノルウェー・スイス・カタール・オーストラリアという金融立国か資源国かのどちらかの要素を持つ世界に冠たる金満国家ばかりなのでそれを考えると、普通の国としては世界第一位であるともいえる。
一人当たりの購買力平価GDPは物価高のためにだいぶ低く、44,343ドル(日本の1.19倍)となっている。
なお、デンマークの2012年における国民負担率は67.8%と世界最高水準である(ルクセンブルグに次いで2位)。
なので、一人当たりGDPのうち41,062ドルが税金で、それ以外が19,501ドルとなる。
 
気づいたことを書いていくが、確かヘルシンキと同じく60万人が住む都市のはずなのだが、人口の割に街が大きい。
世界で日本に次いで長く続いている王朝を擁する国で、財宝の類は相当な量あったものの、国が小さいこともあるのだろうが、絶対王政を経験した国が持つような不必要なまでの豪華絢爛さはなかったし、王室は親しみやすい王室のようである。 
 
デンマークの物価が高いことはわかるが、観光客として行動する上での皮膚感覚的な物価は日本の2倍ぐらいに感じ、北欧3都市で一番高いと思った(ブリトー1,500円、ホットドック1,000円、1.5リットルのダイエットコーラ400円など)。
ちなみに2014年・2015年あたりでの日本と比べた物価指数は1.3程度なので1.3倍程度の物価なのだろうが、ビックマック計数は日本と比べて1.7倍ぐらいで消費税25%を入れると観光客が感じる物価はやはり2倍という数字に近いと思う。
ノルウェーはもっと高いと聞くので、デンマークは北欧では2番目なのだろうと思う。
先に書いたが、デンマーク国民が税金以外で1年間に自由に使えるお金が一人当たり19,501ドルなのだが、実は日本の21,618ドルより少ない。
それなのに皮膚感覚での物価は断然高く感じるのだから実質的な可処分所得はかなり低くなってしまうのではないかと思う。
自動車取得にかかる税金は180%らしいが、国土が極めて平坦で自転車交通が世界最高レベルに発達しているものの、冬は極めて寒いこの国において社会設計として車を持つなと言っているようなものなのだが、これも国民がそれを受け入れているというのだから立派である。
日本でこれをやったら殺す気かと暴動が起きることは必至であろう。
なお、自転車交通がとても発達している国なのでその辺の道路の利用され方も見ることができて、日本もこうならないかなとは思ったが(おそらく車の価格を3倍にしても無理だと思うが)、国土がものすごく平坦とはいえ、年のほとんどは極寒で一日のうちで気候が目まぐるしく変わるこの国で年中自転車に乗るなんてどれだけ身体が屈強なのだろうとも思った(実際、自転車政策を推し進めたことで国民の健康面における好影響が出たというから大したものである)。
余談だが、自転車立国な割に世界一のビール飲酒国でもあるわけで、おそらくは酔っぱらいサイクリストも多いのだろうとも邪推する。
 
デンマークではそういった思い切った施策を極めて高い投票率において信任された国民からの信頼度の高い政治において決定・実行し、その結果として世界で最も幸福度が高いと言われる社会を形成しているということはきちんと頭に入れておきたいと思う。
幸福度というのは極めて環境や周囲との差に影響されやすいのだが(みんな残業していれば残業も平気だが、一人での居残り残業が辛く感じるのと同じで、要は格差が減れば幸福度が上がるのは世の常)、東京で派手に遊びまくって快適さと便利さと美味を享受しまくった後に、所得は高いけど可処分所得が低く、気候は過酷で、娯楽や食のバラエティーに乏しいこの国に来て、この国の国民と同じような幸福度を得られるかと言えば当然ながら大きな疑問符がつくのである。
先日テレビで見たのだが、デンマークは9時から16時までが(僕より1時間短い)基本労働時間とのことで誰もがうらやましく思うだろうが、これは男女全員の共働きによって達成されているわけで、北欧においては専業主婦などというものの存在は認められていないというか、働いていない者に対する蔑視の目線は相当なものであるというから、北欧を豊かでゆとりがあると思う前に、高税率だとか、共働きしないと食べていけない社会であるとか、年のほとんどは極寒であるとか、そういった面にも目を向ける必要はあると思う(逆に男性だけで家族を食わせられることのほうがすごいともいえるのである)。
あと、フィンランド人やスウェーデン人は作り笑いを浮かべるし、愛想も良いが、デンマーク人にはそのように感じなかったのでこのことについても付記しておく。
 
観光的視点で言えば、見どころはそんなに遠くないエリア内に収まってはいるのだが、地下鉄がほぼそれらと関係ない場所を走っており、水上バスに少し乗った以外は全て歩いて観光するしかなかったので結構歩いた。
ローゼンボー離宮もアメリエンボー離宮ストックホルムの王宮と比べれば若干見劣りするが、繁華街のストロイエ、カラフルな建物が連なるニューハウン、ヒッピーの住む社会実験地区のクリスチャニア、元祖テーマパークともいえるチボリ公園と見どころは多い(もちろん人魚の像はそのうちにあらず)。
特にチボリ公園は物価のクソ高いコペンハーゲンにあって2,000円弱で入れるのに大人を十二分に楽しませる音楽ライブや花火ショーがあって最高に良い時間を過ごすことができた。
 

機中

2015年7月20日~2015年7月16日
 
JALとのコードシェア便だったので、食事などにおいて幾分かJAL色が出ていた。
機内食に関しては毎回同じようなことを思うのだが、JAL色(食)が出ているとはいえ、夕食は、そうめん(前菜)、チキンカツカレーもどき(メイン)、パン、くるみのキャラメルソースがけ(デザート)、チーズとクラッカー、チョコレートという組み合わせなのだが、そうめんとカレーライスもどきとパンとケーキとクラッカーを同時に出すような“国際的な感覚”には毎度参る。
朝食も、フルーツ、スズキの味噌焼きと日本米(和食選択)、クロワッサン(バターとジャムつき)、チーズとクラッカーという組み合わせなのだが、正直頭がどうかしているとしか思えんのが航空機業界の国際標準とやらである。
また、最初にビールかジュースを配って、機内食にもカップの小さい水かオレンジジュースがついていて、食後にコーヒーやお茶をついで回るのも短時間に意味なく回数が多いし、それだけガブガブ飲ませておいて、その間、給仕のために乗客がトイレに行きにくくなるのも滑稽である。
海外の随所で押しつけられる国際標準とやらにやたらと無粋なものを感じることは多々あれど、機内食はその最たるものだと思う。
機内販売も無意味の最たるものだが、機内食の無粋ぶりと比べたらまだ害は小さい。
 

雑感

旅程と費用
 
全て2名分合計だが、8泊11日で、事前手配分の飛行機(燃料込み)・船・列車・宿料金が約50万円、保険が約1万円、ロシアビザが32,000円(2人分)、現地使用分8万円弱で、国内交通費等全て含めて62万円強だった。
物価の高い北欧にいると、財布の紐も固くなるようでやはりさほど現地ではカネを使っていないわけですな。
北欧家具や雑貨は好きではあるものの、今回も土産の類は会社のバラマキ土産と蚤の市で200円のロイヤルコペンハーゲンのアンティーク小皿を2枚買っただけで、相変わらずお金を落としていない。
現地使用は入場料と移動手段と食費のみで構成されるのだが、入場料と交通費だけでおそらく半分以上だったのではないかと思う。
   
気候など
 
日本は8月が一番暑いが、サンクトペテルブルクと北欧はどこも7月がもっとも暑いと本に書いてあったのにそれはそれは覚悟していた以上に冷涼な気候だった。
本に書いてある気温より現地の気温のほうが低かったので、行った時期がたまたま寒かったのかもしれないが、サンクトペテルブルクでは最高気温が15度程度にしかならない日もあり、全体的には日本の11月下旬の気候といったところかなと思う。
ずっと晴れていたヘルシンキ以外はどこも天気が1日の中で目まぐるしく変化し、ほとんどの場合においてユニクロの小さくたためるウルトラライトダウンをヒップバックに入れて、寒くなると出して着るといった感じであった。
本に書いてある気候であればほとんど半袖で済むと思ってほとんど半袖を持参し、長袖はわずか2枚しか持って行っていなかったのだが、旅行中は夜も含めてずっと長袖で過ごした。
北欧などは室内はTシャツで済むぐらいとあったのでホテルの室内で履くつもりで持って行ったステテコも全く使わず、寝る時もジーンズや長ズボン(これも2種類しか持っていってなかった)を履いて過ごした。
10日間の移動ばかりの旅行で、かつあまり汗をかかないとはいえ、長袖長ズボン2着ずつというのはなかなか堪えるが、下着・靴下類をたくさん持って行ったのでそちらは毎日替えられたのでなんとかなった。
   
食に関して思ったこと
 
ロシアに関してはピロシキやビーフストロガノフといった定番も美味しいが、ボルシチやウハ―やサリャンカなどのスープ類や、ビーツなどを用いたサラダ類など、滋味あふれる味覚を数多く味わうことができた。
キノコは大きく味も良くキノコ料理も多いようでそこも気にいった。
また、他のヨーロッパ諸国と違っておかゆや餃子も普通に食べられることを知って驚いた。
北欧に入ってからはそもそも北欧は物価が高いのと、そもそもアジアなどと違って物価の問題などもあり外食文化がほとんどないと本にあったので、外食でその暮らしぶりを把握するのには限界があるとは思っていた。
なので、デパートやスーパーの食料品や惣菜などを視察することで現地の食生活を探るようにした。
基本的に北欧3国で売っているものやレストランのメニューやラインナップはどこもかなり似ていたが、肉類に関してはひき肉を使う料理が多いように思った。
レストランに関してはストックホルムでは多国籍料理の店を多く目撃し、特に寿司屋とタイ料理屋が目についた。
コペンハーゲンでもアジア料理屋は多かったが、スパイシーな味付けが好まれるのか、選択肢に辛めの選択が可能な場合が多かった。