GOODDAYS

  世の中の歪みをかいくぐってひたすら逆張りの人生を歩む俺の意見

一人でバーに入れないままの人生

一人でバーに行くことができない。

そもそもオイラはめっぽう酒に弱い。

酒の味もそれほどわからない。

同じ金を使うなら酒より食べるほうに使いたい。

居酒屋にですら一人で入ったことがない。

もちろんタバコに出くわす可能性を考えてというのも大きい。

ハッキリ言って、バーに入る意義も資格もない。

 

でも、一人でバーに入る人には俺が思ってもいないような世界がありそうで昔から気になる。

野球の長いシーズンにおける特に重要でもなんでもない一戦のテレビ中継を途中で終わる可能性があるのにも関わらずずっと見ていられるおっさんにも「おっさんには俺が思ってもいないような世界があるんじゃなかろうか?」と一種の畏敬の念を抱くが、あれと似た感覚かもしれない。

 

バーに頻繁に行く、酒を含めたエンゲル係数の高い友人に、バーで何をするのかと聞くと、ぼーっとして酒を飲んだり、マスターと話したり、マスターが引き合わせた別の客と話したりするとのこと。

キャバクラに行くのですらこっちが金をもらいたいぐらいと思っている俺が金を払って見も知らぬ人と話をするなんて、そんな大冒険をするのは、野球中継を最初から最後まで見続けるよりもずっと大変なことザマス。
 
酒を片手にぼーっとするというのも野球を見られるわけでもないのでこちらも大変なことザマス。
大学の頃はいい思いをしたいというより、どちらかといえばヘタレな自分を捨てて度胸のある自分を作るために渋谷のセンター街でナンパしたりもしていたものだが、あの時のように新たな自分を形成したくなったら行ってみることとしよう。

そうやって自分に鞭を打っていた頃と違って、結婚してモテとかどうでも良くなってしまっていることもあり、また、仕事も思いっきり事務職で、対人関係力が年々落ちる一方なので、まあ、今のところ予定ないですけど…。
でも、心のどこかでバーが気になるから文章にしたためてみましたところです。

あと、度胸づけのためのナンパとさっき言いましたが、もちろん下心も大きな目的でございましたので、やはり訂正させていただきます。
そういえば、普段は絶対に入れないバーでも女性連れであれば知ったふうに入る蛮勇も昔は持ち合わせておりました。
普段は酒に飲まれる自分が酒の力を借りようと必死にもがいていたのでしょうな。

そういえば、今でも走馬灯のように思い出すこんな武勇談があるんだっす。
 
前に住んでいた家の近く、つまり、今の家の近所でもあるのですが、「サパー」と書いてある「フェ○レディ」という喫茶店風の店があり、軽食を出す喫茶店か何かと思いつつ、この店の存在がずっと気になっていて、ある日、「サパーと名乗る店が一体どういうサパーを出すのかこの目で確かめてやろうじゃないの」と、とうとう好奇心が勝って思い切って入ったことがあるのです。

入って座ってしまったはいいが、そこが事実上のスナックであることにその後に気づいた時には冷や汗が実際に出たかどうかはきちんと覚えておりませぬが、冷や汗が止まりませんでした。

仕方ないので焼きそばだけを注文して、冷や汗を垂らしたまま横に座っているおじさん達の会話を聞いて、焼きそばが出てくるアズ・スーン・アズで焼きそばをちゅるちゅるとすすり、食べ終わるアズ・スーン・アズでお会計を済まして、実際には歩いて出ましたが、心の中では猛ダッシュで・這う這うの体で・ウドの大木な図体をみっともなくすくめて店から逃げ帰りました。

這う這うの体とはまさしくあれを指します。


焼きそばは普通に美味しかったですし、たぶん700円ぐらいだったかと思うのでボラれたりというのは全くありませんでしたが、もう頼まれてもあんな冒険はできんザマス。

 

今でも、あの店で、見知らぬおじさん同士が、「いやー私は仙台で運送会社をやっておりましてね…」「そうですか、私は…」と話していた会話が走馬灯のように頭をぐるぐるぐるぐると駆け巡るんです。

お盆といえば走馬灯ですが、走馬灯のように私の頭を駆け巡るのはサパーでの出来事なのれす。

この出来事は一生忘れない自信があります。

それでも一人バーに思いを馳せる夢見がち乙女な37歳です。

 

アテネのバー