GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

K-1 WORLD MAX 2010 世界一決定トーナメント [2010/11/8]

全体の感想

試合を見て思ったことを以下に書く。

 

  • 長島自演乙選手はこの1年で十二分に鍛えたとはいえ、世界レベルとやるとどうしてもまだフィジカルが見劣りするように思う。
    パンチ力も日本人選手の中ではかなり上位に位置するのだが、世界のトップが相手の場合、変則スタイルや当て勘に頼る戦い方というのは、フィジカルの裏づけがないと難しい。
    ボクシングのナジーム・ハメド内藤大助選手のように圧倒的な運動神経とパンチ力があるなら有効かもしれないけど…。
    また、タイミングをずらす場合、タイミングが速いノーモーションのパンチはトップ相手でも有効だが、遅らせるタイミングで打つのは世界が相手だと難しいように思う。
    なお、長島選手の縦拳ジャブや蹴り上げの三日月蹴りは有効だったように思う。
    まら、ノーモーションのパンチは亀田兄弟も数戦前からとり入れていて有効に使っている。

  • 右フックに左フックを合わせるという具志堅氏が授けた作戦は悪くなかったのかもしれないが、本来なら右より左のほうが速いのに、長島選手の左はモーションが大きかったうえ、スピードでも劣っていたから通用しなかったように見えた。
    ボクサーのモーションが小さくて速いフックを身につけるべきであろう。

  • クラウチング・スタイルのザンビディス選手に対する長島選手の蹴り上げる三日月蹴りはとても有効だったが、そもそも試合をひっくり返すような技ではないのが残念。
    劣勢だったこともあって3Rに打ち合ったのはしょうがないとはいえもったいない。
    まあ、あれで僅差に持ち込んでも接戦になればなるほどフィジカルの強さが大事になるから勝ち目はなかったように思う。

  • ダウンをもらったテンプルは長島選手からすれば、急所を外してもらったはずなのに効いていたように見えた。
    あれだけ見きって倒れるのだからどうしようもないし、仕方ないし、恐ろしい。

  • クラウス選手はかなり作戦を練ってきたのだろうが、ペトロシアン選手を崩すことができなかった。
    距離を詰めてパンチを当てに行くが、ペトロシアン選手のディフェンス技術と左ストレートを中心とするパンチの精度が高いため、最後までペースを奪うことができなかったが、遠くから見たら前に出続けたクラウス選手有利に見えたのかもしれない。

  • 佐藤選手が1回戦で戦ったグロガフスキー選手はパワーのある好選手だった。
    佐藤選手は勝つには勝ったが、この試合で相当消耗したようだ。

  • ザンビディス選手のペトロシアン選手に対する戦い方は、観た人に感銘を与えたようで、ネットでのMVP投票ではぶっちぎりの1位だった
    ペトロシアン選手が左のヒザを出した瞬間に左の蹴りやヒザに左フックを合わせる戦法が通じたのだが、あわやダウンかというシーンもあった。
    後で見返したら完全にヒザのモーションに入った瞬間の被弾だったのであれはダウンではなかったのだが、レフェリーは良く見ていたと思う。
    でも、あの一撃があったから観たほうはザンビディス選手に肩入れしたくなったのだろう。
    ペトロシアン選手のヒザはかなりザンビディス選手の顔面に入っているし、ザンビディス選手のパンチはほとんど空を切っているのだが、それでも勢いはザンビディス選手にあったように見えたのは事実で、その点においても観るほうの心を打ったのだろう。

  • 佐藤選手とドラゴ選手の試合はカードそのものの持つ意味があまりに大きなカードで、俺も、「決勝はどうせペトロシアン相手だし、勝てなくていいからこの試合だけは勝ってくれ!」と強く願った。
    普段はクレバーな戦いをする佐藤選手がヒザが攻撃の中心になっているとはいえ、いつになく熱く戦っているのを見て、多くの人の心を打つ試合をしていたように思うが、「結果はともかくとにかく勝て!」と思っていた俺はあのようにリスクを取る戦い方を見てドキドキしてしまった。
    「ドラゴ戦に敗れてから時が止まっている」と言ってここまでがんばってきた佐藤選手にとっては結果も大事だが、内容も大事だったのだろう。
    とはいえ、ドラゴ選手という相手はああいうふうに逃げの態度を一切見せずに戦わないと勝てない選手なのだろうと思う。
    本当にトーナメントでは当たりたくないタイプの選手だと思う。

  • 佐藤選手とペトロシアン選手は両方とも消耗してはいたが、佐藤選手のほうが断然に消耗していたわけで、1Rが開始して蹴り足にダメージが蓄積して蹴れなくなっているのを見て「これは無理だわ…」と思ったが、できる限りの努力をしたので本人も悔いはなかっただろうと思う。
    蹴れないとなるとパンチで圧倒的に上手いペトロシアン選手が優位なのは明らかで、また、余力もペトロシアン選手のほうが断然あったので、3Rになると差が開いたように感じた。

  • 内容的には良かったと思うが、視聴率が極めて低かったのは残念だった。
    この調子だとスポンサーのテレビ局がMAXシリーズを放映し続けるかもわからないし、ファイトマネーや賞金の減額でイッツ・ショウタイムのようなイベントより下位イベントになることに対する大きな危惧も持ってしまう。
    がんばって欲しいところだ。

  • 普段ならベスト8に残るか残れないかのザンビディス選手やドラゴ選手が準決勝に行き、一度も決勝に進んだことのない佐藤選手が決勝に進んだこととで例年よりレベルが下がったと受け止める人はいるだろうし、契約上の問題があったのだろうとは想像できるもののサワー選手やブアカーオ選手が出なかったということは低視聴率とは関係ないと思うが、毎年観ているファンからすれば納得性は低かったのではないかと思う。

 

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