GOODDAYS

  世の中の歪みをかいくぐってひたすら逆張りの人生を歩む俺の意見

K-1 WORLD MAX 2009 世界一決定トーナメント [2009/10/26]

全体の感想

佐藤選手と城戸選手の試合がテレビで放送されなかったら困るので(結局、放送されたのだが…)、今回は久々に横浜アリーナで観てきたが、どこで観るかということよりも、結果がわからずにドキドキして見るのと、結果がわかってから分析的に見るのとでは違うなあ…と毎度ながら思う。
さて、今回はペトロシアン選手が異常に強かったので、述べることはそれについてしかないと思った。

ところで、ある時期に圧倒的な強さをみせて優勝したブアカーオ選手もその後に何度か当時に圧勝した選手に負けるようになっているわけで、ペトロシアン選手もこの先勝ち続けていけるかはわからない。
本当にずっと負けていないのは総合格闘技ヒョードル皇帝がいるだけで、キックボクシングではいないような気がしている。
ブアカーオ選手がたまに負けるようになったのは本人の衰えが理由ではないと私は思っている。
やはり、研究されてだんだんと穴が見えるようになったことが大きな理由であろう(打たれるうちに打たれ弱くなるというのもあるだろうが…)。
関係ないが、今回の試合に限っては会場で見ても、家でテレビで見てもブアカーオ選手はサワー選手に勝っていたと思う。

さて、ペトロシアン選手もそのうち今のように圧勝し続けられるかはわからないが、今のところはほとんど穴が見当たらないというのも事実である。

ペトロシアン選手の有利な点・すごい点は以下の点だと思う。

 

  • 「山本選手の弱点はディフェンスが甘い点」と試合後に喝破していたが、対戦相手の研究を相当する戦略家である。

  • ハイリスク・ハイリターンではなく、ローリスクをFIXして、リターンを求めにいくクレバーな戦いをする(打ち合いとか絶対しないもんな~)。

  • ほぼ全員が右利きの中でサウスポーなのは圧倒的に有利である。

  • パンチが上手い、というよりむしろ、キックが上手いのにパンチもできるといった感じである(パンチの上手いサウスポーのボンヤスキーといった感じか?)。

  • 拳が固いので相手に恐怖を与える(山本KID選手などと同じで打つ瞬間の腕の硬直度が高い)。

  • 長身なのに動きが速い(佐藤選手よりは断然速い?)。

  • 長身なのにキシェンコ選手などと同じで身体が強い。

  • 身体の軸が強く、転倒しない。

  • 目が良く、攻撃をかわすのが上手い。

  • かわすのが上手いのにガードが固く、高いうえ、後側の左手がかなり前のほうにあるので、相手にとっては右のストレートが入りそうな気がしなくなる(実はこれがかなり大きい)。

  • しかも、右手と左手のガードの横の幅が狭いので余計に右のパンチが当たる気がしない。

  • 右手のガードは真ん中気味の前気味に構えているので固い左ガードと比べて隙があるように思えるが、相手の左フックをことごとくスウェーでかわす技術を持っている(反復練習のタマモノだろう)。

  • また、かなり半身に構えているので、そのことが右側の防御になっている。

  • 左右フックを高い角度から時計を見るようなフォームで長身から打ち下ろすからガードの隙間を打ち抜ける。

  • 角度のある右フックの後に繰り出される変則的な軌道からのフック気味の左ストレートの角度が独特である(ロシアンフック気味?)。

  • コンビネーションというより、右手と左手それぞれに意識があるかのように見えるプロボクサーのパンチを打てる。

  • モーションのない左ストレート・左フックを打てる。

  • かなり半身で構えているが、左のパンチを入れるときに肩を大きく回すから威力が出る。

  • 奥足への左ローキックで相手は嫌気がさすというか、相手の心を折ることができている。

  • 左ローキックで攻撃を締めるから見栄えがする。

  • パンチ連打から鋭い左ヒザを出せるのは相手にとって大きな脅威である。


…と、長所を挙げると本当にキリがない(笑)。


相手がペトロシアン選手そっくりになるほうがいいのか?と思うぐらいだ。
ペトロシアン選手を攻略しようと考えた場合、サウスポー相手では左右ローで前足から崩すのが定石だろうが、ペトロシアン選手はカットに相当意識を集中させている。
とはいえ、ここを起点に攻めるのは基本だろう。
また、打撃の瞬間に身体を硬直させる選手は打たれ強くはないイメージがあるのでそこに期待するしかないだろう(また、ブアカーオ選手もそうだが、硬直させるタイプの選手は打ち終わりに隙ができるのでそこも狙える)。
ローキックで前足を攻め、近づいたら右ヒザを入れるのを基本としつつ、相手の左パンチの軌道を身体に覚えさせておいて、それをかいくぐるような軌道の右のカウンターを当てるのが有効そうな気がする(相当な反復練習が必要だろうが…)。
また、ペトロシアン選手が左を打つタイミングでのカウンターでもない限り、ガードがある状態のペトロシアン選手に右のパンチを当てるのは難しいだろう。
いずれにせよ、こんなにも顔面にパンチを入れにくいとなると、パンチよりはパンチ以外で勝負したほうが分が良さそうである。
このように考えると、長身でローキックとヒザの上手い佐藤選手やキックやヒザの上手いブアカーオ選手が対ペトロシアンには比較的優位な気がする。

 

渡辺一久選手はパンチの距離がボクシングから抜け出ていないのが残念だった。
パンチャーには勝てても今のままではアップライトに構える選手に勝てないのではないだろうか。

 

長島選手はちょっと今後の展開を考えづらいように思う。
特にフィジカルは一朝一夕ではどうにもならないぐらい外国人と差があるのではないだろうか…。

 

佐藤選手と城戸選手の試合は二人とも調子が良くて見どころ満載だったが、あの二人が何故にグロッキー状態でそれほどガードをせずに打ち合ったのかについて個人的には疑問が残る(肯定でも否定でもなく…)。
城戸選手はともかく、佐藤選手は派手なKO勝ちしなくて良いからKO負けだけはしないで済むような手堅い戦い方をする美学を貫いてきたのではないか?と思ったからだ。
魔裟斗選手も同じような考え方をしているが、自分の身体の強さを信じている魔裟斗選手は死中に活を見出して中央突破することでリスクの低減を図ってきたのに対し、佐藤選手がそれをやったのはその魔裟斗戦だけで、他は深追いせずにやってきたわけで、今回打ち合ったのにはやはり相手が日本人だから意地になったのであろうか。
そして、城戸選手は佐藤選手にジャブと左フックをガンガン当て、佐藤選手は城戸選手に右ストレートで2度のダウンを取ったわけだが、佐藤選手はあんなに相手の左のパンチをもらってはいかんだろうと思った。
もらった打撃のほとんどは効かないもらい方をしているのだが、左フックでダウンを取られたのは事実である。
先に述べたとおり、対ペトロシアンの最右翼の一人は佐藤選手だと思うが、相手の左のパンチをもらうようではまだまだ心配な気がする。

 

パッタイの屋台