初めての南半球、バリ島へ
初めてのバリの旅行である。
2009年7月11日から7月19日まで7泊9日で行ってきた。
飛行機
行き
成田ではガルーダ・インドネシア航空のカウンターがかなり混んでいたぐらいでとくにトラブルなし。
機内ではアジアの航空会社というので期待していたのに機内食が美味しくなかったのが残念。
アジアどころか成田で作っているっぽかったのに美味くないとはどういうことだ。
日本客室乗務員は全員インドネシア人だったが、日本人を雇うとカネがかかるのでやめているのだろう。
午前に出発した飛行機は7時間のフライトを経て17時頃に到着、日本との時差は1時間。
…で、問題はここから発生する。
イミグレーションの列が猛烈にできているのに職員の仕事が散漫かつ、一人一人のビザの発行に時間がかかり、成田だと20ぐらいの窓口があるのに窓口の数が4つしかなく、列に1時間半並ばされた。
これだけでもバリへの印象が相当下がるのにもったいないことだ。
帰り
飛行機が飛ぶのが夜中0時半で、乗客は飛行機が離陸するとともに寝静まっていた、かつ、日本と時差もないというのに、それを全員たたき起こすかのような不要な飲み物の機内サービスが行われ、眠気を一気に吹っ飛ばされる。
それだけでも一体どういう神経をしているのだ?という疑念を抱く。
そのあとなかなか寝静まれず腹が立った身としてはそれだけの感想しか持てない。
街歩き
クタ・レギャン・スミニャック・クロボガン
この4つの街がどこが境目なのかわからないように続いているのがバリ南部リゾートエリアの構成となっているが、南部のクタは猥雑な雰囲気で、北部へ進むほど落ち着いた雰囲気となっている。
特にクロボガンのオベロイ通りはオシャレなショップとレストランが立ち並んでおり、一風違った雰囲気を出している。
とはいえ、先進国の洗練されたストリートの趣ではなく、ショップとショップの間にライステラスがあるようなストリートとなっている。
クタ~レギャンはどこがその境目なのかわからないが、アジアのバックパッカー街のような趣である。
ビーチ
クタ周辺はもともとサーファーによって発展を遂げた街らしいが、これらの街の近くには南北にずっとクタ・ビーチが伸びている。
体験スキューバダイビングをするためにヌサドゥアに行ったのと、浜辺でのシーフード屋台で食事するためにジンバランに行った他にはクタ・ビーチと隣接するレギャン・ビーチにしか行っていないが、実はサーフィンをするとき以外は海にすら浸かっていない。
これらのビーチの水が澄んでいるかというと、毎年行っている伊豆白浜の水のほうがよほど澄んでいるが、スキューバをやったヌサドゥアの水はとても澄んでいた。
激しい波が発生する砂浜の水が澄んでいるわけないなんてことは普通に考えればわかると思うが、その分、波は激しい。
故郷の宮崎の海岸も波が激しくそれゆえに遊泳禁止となっているエリアが多いがここの波はもっとすごい。
でもここは規制のうるさい日本ではないから遊泳禁止にはなっていない。
とはいえ、だからこそサーフィンをやるとき以外は泳がなかったというのもある。
日本のビーチではパラソルとビーチベッドを借りてビールでも飲みながらゆっくりと昼寝をするところだが、バリでは結局しなかった。
飲食などの物売りがしつこいというのは日本もバリも同じだし、日本の海よりバリの海のほうが南国チックで風情もあるのだが、日本では夏を探すためにわざわざビーチに出かけるのに、バリではどこでもかしこでもさわやかな夏があって、わざわざビーチで寝そべる必要性を感じなかったのだ。
快適な風の吹き抜ける海辺のホテルのレストランのオープンラウンジでゆっくりと過ごしたり、ホテルのプールで横になっているほうが何倍も快適で情緒もあるのに、熱を持って熱くなった砂浜のビーチでしつこい物売りを追い払いながら過ごすなどという選択肢は考えられなかったのだ。
でも、海辺には毎日出かけた。
むろん、世界3大夕陽の一つであるバリの美しい夕陽を見るためにである。
レストラン・食事
庶民的なワルンから現地の人が行かないレストランまで存在するが、今回はレストランばかりに行った。
というのは、アジア料理の辛さやナンプラー系の臭いが強烈なのはあまり好きではないことと、中華料理やタイ料理と比べるとインドネシア料理に対してそんなに魅力を感じなかったからかもしれない。
自分が好きな料理法は炒める・焼くなのだが、ワルンに置いてあるのはデリ風に出来合いのおかずが置いてある場合が多く、作りたての魅力を感じなかったのである。
まあ、屋台というのは野趣あふれて、現地に溶け込んでいる感は感じることはできるのだが、どこの国に行っても、レストランやフードコートで食べるほうが美味しいことには変わりないわな…。
臭いが強いといえばタイ料理も同じだが、タイ料理の場合は甘みやすっぱさが複雑な魅力をかもしだしているのに対し、インドネシア料理は一味複雑さに欠ける気もした。
ただ、ナシゴレン(チャーハン)とミーゴレン(焼きそば)はどこで食べても美味しかった。
日本で人気があるメニューというのはやはり日本人が好きなメニューだということなのだろう。
でも、ナシゴレンのつけあわせのえびせんは日本のはとても美味しいのに、こちらのはナンプラーがかけてあるか練りこんであってオイラにとっては苦手なものになってしまったのが残念である。
サテはピーナッツソースでないタレのときは美味しかったけど、これも日本の焼き鳥のほうがやはり美味かったかな~。
マッサージ・エステ
タイにはタイ式マッサージが有名だからマッサージを期待して行くが、バリでは期待して行かなかった。
でも、マッサージ店を見かける頻度はタイ以上かもしれないというぐらいに多かった。
…というか浜辺でもどこでも「マッサージ」と声をかけられる。
料金は安いところで1時間500円弱程度で、もう少しちゃんとしたところだと800円程度となる。
バリにいる間は十分に時間があったので、1日に1回はなにかしらのマッサージをして過ごした。
基本のオイルマッサージ・ストーンマッサージ・アロママッサージ・ヘッドマッサージ・アーユルベーダマッサージ(スクラブやシロダーラ含む)・フェイシャルケアといった多種多様のマッサージを受けた。
一度はやってみたかったアーユルベーダのシロダーラを受けられたのには収穫となった。
まあ、トロトロして気持ち良いというぐらいではあったが、ある程度きちんとしたスパなのに1,500円程度というのはあまりに安い。
これはレギャン通りの「SPA BALI」というわっかりやすい名前の店で行ったが、全体的にこの店はオススメである。
ショッピング
クタ一帯は発展途上国にありがちな交渉制。
いちいち交渉するのが面倒だし、周囲より高いのをつかまされたらムカつくし、ゆっくり見たくても色々うるさいのであまり真面目に見る気がせず。
せっかく日本とは比べ物にならないぐらい安いのに個人が儲けようとするあまり、全体で損をしているなあと思った。
小ぎれいな店は定価での販売となるが、こちらはおそらくは交渉の店より高かったりする。
でも話しかけられずに心行くまで吟味できる点、おそらくは変なものをつかまされないで済みそうだという根拠のない安心感を与えてくれる点で勝っているので、実際の買い物は小ぎれいな店ですることが多かった。
なお、ディスカバリーモールなど大きなショッピングモールがあるが、こちらも重宝した。
いかんせん物欲がないので吟味をしたうえでこれはと思うものをいくつか買っただけだったが、バリ雑貨やアジア雑貨が好きな人には天国だろう。
あと、センスのいいTシャツや短パンがあれば買おうと決めていたが、ららぽーとやイオンモールにある適当な店よりいいものがありそうな気がしなかったので何も買わなかった。
服に関してはいくら安くても気に入らなければ意味がないからな~。
クラブ
クラブテロがあった周辺に固まってクラブが集中している。
日本と違って入場フィーが取られないので、ハシゴしまくりが可能。
飲み物を飲まなければお金もかからないが、ビンタンビールを2本も飲めば酔いが回るオイラには安上がりもいいところ。
日によって場所が変わるものと思われるが、人が入っているクラブにはどんどん人が入り、人がいないクラブには誰も入らないのが、外から様子がわかるクラブの原則だが、ここは露骨にそうだった。
日本のクラブで、「全然客がいなくてもチャージを払っているから出るに出られないという」というような泣きを数多く見た身としてはありがたいシステムである。
せっかくバリでありクタに来たのだから、レギャンストリートと海岸沿いのクラブを全部回って楽しんだ。
欧米人ばかりがわんさかと楽しんでいるが、欧米人というのは歳を取ってもミッドナイトにこういった場所でバカ騒ぎするのが本当に好きな人種だなといつも思う。
日本にもクラブはあるにはあるが、人口比でいうと相当少ないであろう。
日本人は欧米人ほどクラブ好きじゃないから人は集まらないし、お酒に関しても日本人の多くはザルじゃないから日本ではフィーでも取らないと成り立たないのだろう。
そのかわり、日本にはキャバクラやスナックといった俺には理解不能な選択肢も用意されているわけだが、僕はこれらよりはクラブのほうがまだいいのだけれども、欧米人のクラブ&夜遊び好きのエネルギーには到底かなわん。
芸能
ケチャ
ウルワトゥ寺院でケチャを観たが、男の子なら一度はマネしたことがあるであろう有名なダンスだけあって、驚きはないが、断崖絶壁の上にそそり立つウルワトゥ寺院のケチャ舞台から見える夕陽の美しさにはケチャとは違うが息を飲んだ。
佳境に入って炎を使って演じるのだが、これは迫力があった。
驚きはないと言ったが、もちろん観て損はない。
レゴンダンス
ガムランが好きなので、個人的にどうしても観ておきたかったのがレゴンダンス。
チャーターした車の運転手が「バロンダンス」のほうがオススメと言ったのだが、どうしてもレゴンが観たくてレゴンを観に行った。
有名なのがウブドの王宮にて毎晩行われていて、毎晩歌舞団が変わるレゴンダンス。
王宮の前のチケット売りからチケットを購入して夜の20時から観劇。
やはり本場のガムランは半端ない。
とにかく速い、動きがカッコいい、息が合っている。
ダンスもこちらが想像していたとおりの不気味な妖艶さが出てすばらしい。
1時間半の演舞時間は若干長い気もするが、バリに行ったら絶対観ておいたほうが良いと思う。
アクティビティー
体験ダイビング
ダイビングというものをやれそうな機会は何度かあれど、なんだかんだで面倒だからと逃げ続けてきたのだが、そう言っている間に30代になってしまったのでここらで体験ダイビングを試みた。
とはいえ、これにハマってしまうとカネと時間を食うので絶対にハマりたくないところ。
それでいて、美しい海を見たいという願望はあって、そういう人間にとってはヌサドゥアビーチでの体験ダイビングはオススメといえるのではないだろうか。
朝にホテルに迎えに来てもらって、ヌサドゥアビーチで30分程度のダイビングをやって45ドル程度であったが、楽しかったけど、正直、30分もやれば十分ですな…。
水深7メートルの体験ダイビングと本格的なダイビングの違いはあるのだろうが、自分にとっては体験ダイビングで十分堪能できた。
そうそう、海から上がったときにウミヘビがオイラの首の回りにまとわりついていて、インストラクターのお兄さんが青い顔をして「動かないで」と言ってウミヘビを払いのけてくれたのだが、かまれたら死ぬこともあるそうな…。
美しい海底世界を泳いで楽しかったけど、ダイビングのためにどこかに出かけようと思うほどには思えず、当初の目的達成。
サーフィン
サーフィンも同様に面倒くさいからとボディーボードに逃げたり、避けてきたりしてきたが、そろそろやっておかないと身体がついていかなくなってからでは遅いので試みる。
こちらもハマると多くの時間とお金をこれに費やすハメになるが、こちらはやる前からハマらない自信があった。
クタビーチのサーフショップにでも行こうかと思ったが、ビーチでビーチボーイに声をかけられ、交渉をしたら2人で2時間4,000円ぐらいでレッスンを受けられるとのことでチャレンジ。
ロングボードで、ビーチボーイに補助してもらったうえで崩れたあとの波に乗るのは簡単だったし、誰でもできると思うのたが、自分でバドリングして波に乗るのは思ったより難しかった。
たまに波に乗れるといった程度だが、上半身の筋力に自信のある自分でも相当疲れたのでこれは相当な運動量だと痛感。
楽しいけど、故郷の宮崎に住んでいるのならいざ知らず、東京に住みながらやる気は起きず、これも当初の目的達成。
島内観光
ウブド
芸能と芸術の街と言われるウブドはとても落ち着いているのかと思いきや、中心部はレギャンだとかスミニャックぐらいの喧騒にはなっていた。
とはいえ、クタ周辺のバカ騒ぎのような雰囲気はないし、建物の2階などに上がると美しい田園光景を望むこともできる。
ここは中心街を外れてみればバリの原風景を楽しめる場所がたくさん広がっているのだろうと中心街しか歩いていないのだが想像する。
そして、ウブドのヴィラや高級ホテルともなると相当なバリ情緒を楽しめるのだろうとも想像する。
キンタマーニ高原
一度聞いたら絶対に忘れない名前のバリ島の内陸北方部にある景勝地。
わざわざバリに行って景勝地なんぞを観に行くのだからそれなりにすばらしくないと怒るぞ!と思って行ったが、実際すばらしい眺めだった。
まあ、日本にもすばらしい景勝地はたくさんあるのでどうしてもとは思わないが、行っても全く問題はないと思う。
ウルワトゥ寺院
バリ島の最南端の断崖絶壁の上にそびえ立つ寺院。
断崖絶壁の下はサーフィンの上級者スポットとして有名な場所らしい。
情緒ある寺院であるが、夕陽どきでなければどうかな?とも思う。
夕陽どきには夕陽が美しく、またケチャの鑑賞もできる。
また、この一体は猿の住処になっていて、しかも猿はサングラスなど人の物を取るうえ、ちょっと凶暴なので注意が必要である。
雑感
両替
バリの空港のレートが悪かったら困るので一応両替を日本でもやっていったが、成田におけるインドネシアルピアのレートは悪すぎた。
全て現地で両替したほうが断然良い。
もちろん空港より街中のノーコミッションの店のほうが良いと思う。
バリの人々
バリの人々も発展途上国にありがちな馴れ馴れしく物怖じしない自然なフレンドリーさがあるが、ダイビングショップのインストラクターの話を聞くに、バリの人はタイ人と違っておっとりのんびりして怒らないそうな。
逆にタイ人はすぐに怒ると彼は言っていた。
客として見た場合は両方とも似たり寄ったりだが、彼らと一緒に働いている人が言う意見がこうなのだからバリの人々はおっとりしているといって良いのだろうと思う。
自営業や商売人ではないサービスマンのホスピタリティーは日本のようにこちらまで肩肘が張りそうになるホスピタリィティーではなく、自然なホスピタリティー精神で接されるのでこちらも気を使わず疲れないのがとても良い。
逆にバリの商売人が生活に必死なあまり、あたり構わず声をかけてくるのには閉口するが、自分たちはみんな貧しいのに、遊びに来る外国人はみんなお金持ちという状況の中でつつましく生活を続けているバリ人がそうなってしまうのはどう考えても仕方ないであろう。
レゴンダンスは必見