GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

K-1 WORLD MAX 2006 世界一決定トーナメント 決勝戦 [2006/6/30]

 

各試合ごとの感想

1回戦 ○魔裟斗 VS ●小比類巻貴之 (判定3‐0)

長らく誰もが見たかった因縁の対決。

1Rは前蹴りでかく乱し、そのことに気づかれた後の2Rはヒザ蹴りなどの多彩な足技で勝負した小比類巻選手の作戦はお見事であったが、3Rに入ると魔裟斗選手の攻撃が小比類巻選手を捕らえだし、ボディーブローを起点とした攻撃で劇的なダウンを奪って勝負を決めた。

テレビで見たら、会場で見た時よりも魔裟斗選手が押していた気がした。

会場では小比類巻選手は相当善戦していたように思えたのだが…。

それにしても、終わった後に2人の因縁の争いが終わり、両者に晴れやかな笑顔があったことに感動した。

実際に終わった後の小比類巻選手のコメントを見ていても実に晴れやかなものだったのが印象的だった。

 

1回戦 ○アンディ・サワー VS ●ヴァージル・カラコダ (3RTKO・パンチ連打)

カラコダ選手は爆発的なパンチラッシュ、サワー選手はインローキックで勝負に出るが、1Rにカラコダ選手の右ストレートがサワー選手を捕らえフラッシュダウンとなる。

しかし、サワー選手がは我慢強くインローキックをけり続けたこともあって、3Rに足が浮いてきた。

そして、しぶとくチャンスをつかみ、一気にKOした。

すごい底力だと思わざるを得なかった。

 

1回戦 ○ドラゴ VS ●アルバート・クラウス (判定3‐0)

荒削りで強引な攻撃を仕掛けるドラゴ選手のヒザがクラウス選手にまともに入って、1Rにダウンを喫してしまたのがクラウス選手にとってはあまりに痛かった。

大振り&大技のドラゴ選手に対し、コンパクトパンチをにまとめるクラウス選手の攻撃という構図で進んだが、どちらかといえばクラウス選手のペースだったものの、ダウンの分を取り返すほどには全然いたらずに試合が終了した。

クラウス選手がパンチしか出さないからドラゴ選手はやりやすかったのではないかと思った。

 

1回戦 ○ブアカーオ・ポー.プラムック VS ●佐藤嘉洋 (2RKO・左フック)

私は佐藤選手の大ファンだが、それは、KO勝ちをできなくてもKO負けしない戦い方と彼の人間性が好きだからである。

なのに佐藤選手はKOでやられてしまった。

まさかブアカーオ選手がパンチ勝負に挑んでくると思っていなかったのだろう。

決勝まで見てブアカーオ選手が異常に強かったのだ…」と納得はしたが、私の中で佐藤選手は絶対にKO負けをしてはならない選手だっただけに見ていてものすごく悲しかった。

家に帰ってビデオで何度かチェックしたが、佐藤選手はリーチがあるだけにこの試合においてはパンチに対するガードが甘くなることがあってそこを突かれた感じはした。

それと、もう少し落ち着いて対処すれば良かったというか、パンチのどつき合いにつき合ったのもあのような結果を生んだ大きな理由だったのであろう。

また、得意かつ攻撃の起点となる前蹴りをブアカーオ選手が完全につかんできたのでやりづらかったというのもあるのであろう。

実際、2RのKOは足をつかまれての左フックで終わったわけだし…。

佐藤選手には復活&リベンジを果たして欲しいが、どう考えても名古屋でやっていることが不利になっている部分もあるとは思う。

それは、名古屋だと極端にスパーリングパートナーに恵まれないように思うからである。

スパーリングパートナーがフェザー級の竹村健二選手しかいないと聞くから驚いてしまう。

また、名伯楽の小森次郎会長の指導は他を抜きん出たものがあると思うが、もしかしたら他の人からも指導を受けてみたら違う道が見えてくるのかもしれないと勝手なことを思ってみたりした。

ただ、試合後コメントやブログを見る限り佐藤選手は腐っていなかったのでがんばって欲しいと心底思う。

 

準決勝 ○アンディ・サワー VS ●魔裟斗 (判定3‐0)

パンチでは魔裟斗選手、ローキックでは若干サワー選手という感じはするが、オールラウンダー同士の華麗な試合内容に誰もが引き込まれた。

魔裟斗選手の最後のダウンはスリップのような気がしたがダウンだったのだろう。

ビデオで見るとジャンピング気味のハイキックを受けたあたろからダメージがあった気もするけど…。

ところで、魔裟斗応援シートはA席の半分近く、全観客の5分の1ぐらい?を占めていたが、この試合が終わると帰途につく人がチラホラとあった。

魔裟斗選手がいなくなった後のMAXが大いに心配である…。

 

準決勝 ○ブアカーオ・ポー.プラムック VS ●ドラゴ (判定3‐0)

ブアカーオ選手はドラゴ選手の2Rの右ストレートと3Rの上段後ろ回し蹴りにだけヒヤリとさせたが、他の全ての攻撃は完全に見切り、子ども扱いした。

意外性があってアグレッシブで思いっきりが良いもののすべての攻撃が大振りのドラゴ選手の攻撃は、クラウスのように前出てブロックするタイプの選手には当たっても、ブアカーオ選手のようにかわす選手の前では空振りのオンパレードになってしまう。

そのような中、パンチできちんどダウンを取って完勝したブアカーオ選手はバケモノ以外の何物でもない。

テレビではほとんどカットされていたが、ブアカーオ選手の動きの美しさを味わいたかった人にとってはもったいなかったといえよう。

あと、ブアカーオ選手がパンチも強いのは、あれだけ相手の攻撃を見切る能力があるからだと思う。

見切られた後に食らうカウンター攻撃というのは非常に効くからである。

この芸当ができれば大したコンビネーションなんぞ必要ないということでもあろう。

 

決勝 ○ブアカーオ・ポー.プラムック VS ●アンディ・サワー (2RKO・右ストレート)

今さら言うまでもないが、ブアカーオ選手の強さが際立った。

1Rは前蹴りでけん制したり、ジャブをうるさく突いたり、そのまま腕を伸ばしたりして間合いを取ったりするブアカーオ選手の老獪さが冴えた。

2Rに3度のダウンを取ったが、それらは左フック・右アッパー・右ストレートと多彩なパンチによるものだったのにはビックリしてしまった。

まあ、サワー選手はヨソ見をしてしまったのだが、それが最も決定的な要素だったのかもしれないけど…。

 

スーパーファイト ○フェルナンド・カレロス VS ●武田幸三 (判定3‐0)

ちょっとタルミ気味のフェルナンド・カレロス選手は肉弾突貫グチャグチャファイトの選手だったが、散打の選手でもあるそうで腰が強い感じがした。

グチャグチャラッシュの中で武田選手はダウンを喫してしまう。

武田選手もヒザ蹴りでペースをつかむが、ダメージは武田選手のほうが明らかに負っていた感じだった。

武田選手の試合はいつもおもしろいが、異常にレベルの高いオープニング・マッチや、もう片方のスーパーファイト決勝前のスーパーファイトにするにはちょっと…と思ってしまう内容ではあった。

 

スーパーファイトTATSUJI VS ●白須康仁 (判定3‐0)

両方とも知っているだけに微妙な気持ちで見つめたが、良い試合であった。

パンチテクニックで勝るTATSUJIさんがラッシュで印象点を取っていくが、白須さんのガードは固かった。

白須さんも負けじと左右にスイッチしてローキックを放とうとするもTATSUJIさんが距離をつめるため、思うように蹴りを打てず、どちらにペースが流れるということなく終了した。

また、白須さんのクリーンヒットも意外に多かったような気がした。

 

リザーブファイト ○アルトゥール・キシェンコ VS ●ライアン・シムソン (判定3‐0)

ライアン選手は攻撃の最後を必ず右ローキックで締めくくってはいたが、いかんせんガードを固めすぎていて手数が少なすぎた。

それだけキシェンコ選手の攻撃が危なかったのだろう…。

キシェンコ選手はとにかくガムシャラかつアグレッシブに動物的なファイトを繰り出していたが、本当に末恐ろしい19歳だと思った。

 

オープニングファイト ○ヨーセングライ・フェアテックス VS ●カマル・エル・アムラーニ (判定3‐0)

もう片方のオープニングファイトとはうって変わって、本戦にしてもおかしくないような超豪華カード。

マニアの間ではヨーロッパのスーパーリーグで活躍しているドラゴ選手、フィクリ選手、アムラーニ選手がそろえば、真の最強がわかるとも言われていたが、先日にアムステルダムで開催されたK-1において、フィクリ選手はムラッド・デレスキー選手にTKO負けを喫し、ドラゴ選手もレイ・スターリン選手に判定負けを喫しているだけに、残されたアムラーニ選手の実力をきちんと測定したいところであった。

っていうか、レイ・スターリン選手やムラッド・デレスキー選手の実力もきちんと知りたいけど…。

しかし、その相手はルンピニーウェルター級の現役チャンピオンにしてWBCムエタイチャンピオンであるヨーセングライ選手とこれまたとんでもないバケモノ選手で、どうなるかとものすごく楽しみであったが、結果としてはヨーセングライ選手のワンサイドゲームに終わった。

左ミドルで一方的に攻撃を続けるヨーセングライ選手に対して、アムラーニ選手は右ストレートで応戦するが当たらず、たまに放つ得意のバックスピンキックもサウスポーのヨーセングライ選手のお腹には当たらずであまりいいところをみせることができないままに終了した。

 

オープニングファイト ○野田貢 VS ●西脇恵一 (1RKO)

唯一のヘビー級の試合。

両者ともキックボクシングの世界では無名だが、空手では名があるようである。

しかし、あまりにも実力差があり過ぎた感がいなめない。

 

バンコク市内の怪しい某所