GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

台風と雀・天候と決断・解放区

台風の影響なのかどうかはわからないが、台風15号の影響で埼玉県で雀の大量死が見つかったというニュースが報じられ、これには衝撃を受けた。

俺は、動物を食べる以上ペットは飼わないと強弁しているのだが、それでも、野鳥、特に雀とゆりかもめに対しては犬猫よりもずっと愛着を感じている。

そして、台風19号が来て、雀は大丈夫かと心配をしていたのだが、台風直後から家の前の河川敷の雀が姿を消した。

まさか死んでないだろうなと思って茂みの中を覗いて回ってもいないので大丈夫だろうと思ってはいたのだが、浜離宮などでは多数見かけるものの、河川敷に雀を見ないとさすがに不安になる。

しかし、昨日、大量の雀が戻っているのを見かけたので安心した次第である。

ったく~あいつらどこに行ってたんだろ?

 

野鳥って、あれだけたくさんいるのに、たまに巣を見かけるだけで、基本的にはどこに卵を産んでいるかもわからないし、どこで死んでいるかもわからなければ死骸を見ることも滅多にないし、どこに寝ているかすらわからないし、本を読んでもあまりはっきりとしたことを書いていなかったりするのだが、本当にすごいと思う。

夜に「寝てないかな?」と思って茂みを覗いても雀を見つけた試しがない。

ネット上でとある少年の雀の研究があり、目を見張ったのだが、俺にはそこまではさすがにできない。

 

www.shizecon.net

 

話を変える。

天候を理由とした重大な決断が行われる例がこのところ相次いだ。

ダムの事前放流有無・ダムの緊急放流のタイミング・天候災害に伴う天皇陛下即位祝賀パレードの延期・ラグビーワールドカップにおける予選プールの試合中止・東京オリンピックのマラソン競技の札幌での開催…と重要な決断が迫られる場面が多かった。

ラグビーワールドカップで予選プールの試合が中止になったことには驚いたが、事前に決めてあったルール通りに運用しただけであるものの、責任はワールドラグビーが持った。

東京オリンピックのマラソン競技に関する責任もIOCが持つのだろうし、大会組織委員会も許諾したというのだから仕方ないとはいえ、JOCと東京都にとっては寝耳に水だったようである。

個人的にも開催時期と開催時刻に疑問はあるものの、意思決定と手続きは開催都市契約に基づいて進めるのだと思うが、東京都としては費用面に関してできる限りの粘り腰を見せてもらいたいものである。

 

www.2020games.metro.tokyo.lg.jp

 

遅すぎるタイミングの決断というものにはかなりイライラさせられるのだが、遅すぎたとしても決断ミスを犯して「インパール作戦」や「八甲田山」に突入するよりは良いという考え方は常にある。

小池百合子都知事築地市場の移転問題を人気取りのためのおもちゃにしたとして、「インパール百合子」と揶揄されたが、最終的には豊洲移転を決断した。

遅すぎるかつ極めてクソな決断だったが、移転を中止するよりはまだマシな決断だったとはいえるわけである。

 

また、話を変える。

放送前に放送されることを知っていたとはいえ、自分が属していた大学の部活が先週にテレビで放映されて驚いた。

また、大学の部活で一緒にやっていた友人が準主演で出演した映画の初日が昨日だったので、観に行った。

「解放区」という映画なのだが、実に見どころのある映画だった。

友人が出ていても内容がおもしろくなかったら薦めるような真似はしないが、全くそうではなかったのでオススメしておきたいと思う。

しかし、知っている人間が映画に出ているとなんとも不思議な感覚、いや、笑っちゃいそうな感覚に陥るのだなと観ていて思った。

 

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日舞台挨拶の様子。口コミが頼りなのでバンバン撮ってアップしてくれれば…とのことだったので…

 

災害と社会の動きについて

東京では台風が峠を過ぎたし、うちは川沿いにあるのでビジュアル的な怖さはあったものの何事もなく済んだが、停電の件数もかなり多いようだし、被害各地で被害状況が明らかになるのが本当に怖い。

 

それにしても東京の機能がここまでストップしたのを見たのは初めてかもしれないと思った。

わかっていたことではあるが、首都圏において鉄道網は血管とでも呼ぶべきものだったのだなと痛感させられた。

裏を返せば鉄道が止まればほとんどの会社は堂々と休業できるということである。

もちろん出かけることはないが、営業している店があったのかどうかを好奇心で確認したかったぐらいである。

家から外を眺める限り、道路を走る車は少ないものの台風のピーク時以外は全くなかったというわけではなかったし、近くのコンビニもずっと開いているようである。

そして、川の向こうに見える朝日新聞社の電気は煌々と点いているが、新聞は今朝も配達をしたのだろうか、明日の朝も配達するのだろうかと思わずにはいられない。

 

しかしながら、とにかく無理をしないという方向に社会が変わったのはすごく良いことである。

昭和的なゴリ押しの儒教社会に対してハラスメントを訴える動きが平成の最後に起き、令和の時代には、少子高齢化によって労働者が不足する社会の到来も相まって労働者と消費者の立場が適正化する、もしくは逆転するところまで行くのかもしれないと思わされる世相だが、ハラスメントを叩く動きが一気に高まったのはやはりSNSの力によるところが大きいのだろうと思う。

つぶやきの力と拡散力によって、特に大企業は労働者に対して強引な手を打ちにくくなったわけで、これは個による集団、労働者による使用者への勝利とでも言うべきものでもあるように思う。

 

また、このところの世の中の動きで、災害時における社会的コンセンサスが一気に形成されたようにも思う。

災害の際には備蓄や備えを自己責任である程度やっておくこと、避難は「正常化バイアス」を持たずに的確に行うこと、宿直対応が可能な官公庁・インフラ・病院・ホテルなど以外で災害の時に営業する会社はクソ会社認定ということ、災害後に交通が混雑している際に無理して不要不急な出勤をさせる会社もクソ会社ということ、などなどといった社会的コンセンサスである。

 

そして、これらの急激な変化から、一旦世の中の流れが変わったら一気に変わるということも確認できたわけで、人口減少および少子高齢化を迎える日本社会が将来に必ず行わなくてはならない負担増を伴う数々の変革もこの調子で乗り切ることができるのかもしれないと思い、その点では心強い気持ちになった。

 

ところで、先日の関西電力の不祥事を論外と思ったのはもちろんであるが、この件に関しては、世の中には正当な権力移行の手続きを踏んでいないのに何故か強大な権力を有している「ドン」的な人物の跋扈していることをまざまざと見せつけられたという側面もあった。

昨年のスポーツ界での不祥事でもさまざまな理不尽が露わとなったが、こうした理不尽を社会から排除しようとする流れはますます強まるだろうし、是非ともそのようになっていって欲しいと思う。

しかし、社会を一気に変化させていくうえで最も大きな力を持つ政治の世界が最も古臭さを色濃く残す世界だから困ったものだとも思う。

などということを台風を眺めながら思った次第である。

 

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うちの真ん前でも隅田川の遊歩道は水没していた