GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

GOODROOMS, GOODDAYS③ パーツの選定

さて、前回の続きでリノベーションの話題に戻るが、設計会社とcm単位の具体的な間取りおおよその仕上がりのイメージを詰めることができたら、使用するパーツを選定していくことになる。

ここをお任せにする人も多いと思うのだが、こだわりが強い俺らはパーツの一つ一つを自らの足で探して決めていった。

 

見積書についてだが、15年ほど前に辞めた前職で俺が見積書を作成していた時は、直接人件費以外の細々とした部分でいかに水増しをして利益を確保するかというのが見積書作成の勝負どころだったのに、オフィス・エコーさんの見積書はこの上なく良心的にできていて、設計・デザイン・現場管理費工事費材料費がきれいに3つに分かれており、材料費部分については全く水増しがされておらず、自分らのパーツ選択次第で価格が変わっていくような作りになっていた。

しかも、請求はオフィス・エコーさんで一括にしてもらったのだが、オフィス・エコーと工事を担当してくれた会社である古賀造さんで分割請求にしても構わないとおっしゃっていたことから、設計・デザイン・現場管理費はオフィス・エコーさんに、工事費は古賀造さんにそのまま支払われるようなイメージに見受けられ、オフィス・エコーさんのあまりにもの良心ぶりと若い社長が経営する両社の理想的なパートナーシップぶりに驚いた。

 

かくして、オフィス・エコーの江本社長から教えてもらったり自分で調べたりして、うちのご主人と連日さまざまなショールームにパーツを見に行って、熟慮を重ねて使用するパーツを決めていったのだが、○○社のどの品番に決めたと伝えればその購入はオフィス・エコーさんと古賀造さんが行ってくれた。

 

かくして、ネットなどで個別パーツを探しつつ、現物をショールームで確認しに行きまくる日々が続いたのだが、それは、自分たちがこういう部屋に住みたいなあと思いながら選んだパーツが実際にかたちになっていく過程であり、こんなにワクワクしながら過ごした日々はそうそうなかったと思う。

下は水天宮のT-CATにあるKAWAJUNショールームでタオル掛けやトイレットペーパーの紙巻き器のパーツの選定に出かけた際の写真である。

 

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KAWAJUNにて

 

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多くの選択肢と費用の前にあれこれ悩む

 

f:id:gooddays-shumai:20201228170151j:plainつや消しだとかヘアライン仕上げだとか光沢だとか仕上げもいろいろ

 

うちに窓は4ヵ所あるので、4ヵ所分の費用がかかるのだが、窓はカーテンではなく、全て立川ブラインドバーチカルブラインドで統一した。

ひもで扱うコード式やワンチェーン式ではなく、棒を引っ張って開け閉めするシンプルなバトン式にした。

なお、直射日光が入る南東側はより遮光の微調整が効くセンターレース入りのもの、北西側はセンターレースのないものとした。

昔から、スタイリッシュで光量の細かい調整が可能なバーチカルブラインドへの憧れがあったのだが、これは本当に導入して良かったなあと思っている。

 

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4ヵ所あるので費用もかさむが…

 

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こちらは北西側のシングルのもの。当然ながら、ブラインドとエアコン設置だけは工事はこちらでの出張工事手配となる

 

は前々回に述べた通り、古材ウォールナット材で競ったが、うちのご主人の意見に従ったのと、素足で歩くことを考えて、高単価ではあるものの、硬くて敷き詰まってつるつるしているために極めて肌ざわりが良い天然板のブラックウォールナットにすることにした。

自分でショールームを見て回って探しても、木目が美しく質の良いものは1㎡10,000円超えのものしか見つからなかったのだが、オフィス・エコーさんが提案してくれたものは美しくて質が良いのに1㎡6,000円と、廉価でもないが廉価でラッキー。

ウォールナットはものすごく硬いので、55㎡を張っておられた床板張りの職人さんからは「床材めっちゃくちゃ硬いっす」と泣きが入った。

天然板は合板の床と違って肌で触れた時の体感温度が暖かく、冬以外は素足で歩いても冷たさを感じない。

当然、数年に1度はオイルフィニッシュでオイル拭きをする必要もあるし、天然板なので夏と冬で伸縮するのですき間の間隔も若干変わるが、生活には何の支障もない。

 

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木星のような天然木目の美しさと温もりのある肌ざわりがあるブラックウォールナット

 

エアコンは天井埋め込み式に憧れるが、本体費用・工事費用・天井高・コンクリート打ちっぱなしの天井であることを考えると諦めざるを得ず、少しでも無機質で丸みのない機種を選定するのがやっとだった。

リビングも寝室も富士通のものにしたが、リビングは広いので、リビングのみ200ボルトの富士通のnocriaという機種を選択した。

 

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日本製品は性能はいいけどビミョーなデザインのものが多いと嘆く

 

ライティングこそは夜の部屋の雰囲気を決める重要な要素であるだけに考えに考える。

廊下・キッチン・洗面所は同一デザインのダウンライトにした。

寝室には前の家で使っていた2種類のシャンデリアとIKEAのフロアランプと、前の家で使っていたお気に入りのものをそのまま持ち込んだ。

リビングは2本のダクトレールに同一の中角のスポットライト13本をつけて照射することとした。

ハロゲンランプを13本もつけると消費電力が気になると思うが、1つ4WのLEDのものにして52Wに抑えることができた。

また、よりムーディーにしたりローソクを用いる時のために光量をつまみで調節できる調光器対応のものにした。

 

そして、ダクトレールを引くことにより、従来のシーリングライトをつける位置に憧れのシーリングファンをつけることとした。

シーリングファンはNECライティングから7,000円程度の商品ですばらしいデザインのものが出ていたのでありがたかった。

 

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初期投資は痛かったが、家のライトはオールLEDに…

 

洗濯機はここで憧れのドラム式を購入した。

もちろん、シャツやズボンは今でも乾燥機にはかけないが、下着やタオルを干さずに乾燥してくれる乾燥機能はあまりに便利すぎて、食洗器と同様にそれがない時代に戻るのは不可能である。

なお、ミーレエレクトロラックスの洗濯機をショールームで見てうっとりとするが、費用を考えて妥協して、ハイアールではなく三洋電機だった頃のAQUAにした。

後でAQUAのロゴの部分を壁と同じ白ペンキで塗ってごまかすのだが、性能に関しては言うことなしの活躍をしてくれている。

掃除機はマキタのコードレス充電式、冷蔵庫はスチール加工でロゴ無しの三菱電機、食洗器はパナソニック、電子コンベックはリンナイと、結局は安心・廉価の日本製を採用してしまっているのはデザイン面で詰めが甘いともいえるが、リノベーションが人生のワガママ=負債であるとはいえ、常に資産と負債の本質に迫って生きているなかで、それぐらいは我慢のしどころでもあり、実際、日本製の電化製品はその機能の高さのおかげで7年~10年経っても不具合の一つも出さずに良く働いてくれている。

まあ、同じように、Russell HobbsのコーヒーメーカーやBoseのスピーカーを酷使してても全く不具合はないんだけど。

 

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日本製家電の致命的なデザインの悪さには泣くがこれはマシだったかと…

 

今回は小さなパーツを取り上げたが、キッチン・トイレ・ユニットバスはカネがかかるだけに選定作業にも力が入った。

次回は、工事の様子と完成後の様子を取り上げる。

なお、パーツについてはシリーズ⑤でも取り上げる予定である。

 

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GOODROOMS, GOODDAYS② 構想を練って業者を探す

不動産の購入や交渉云々については、前回に紹介した通り、別の回に述べているため、今回は触れないが、居住中の物件を軽くリフォームして引き渡してくれる予定だったものを、現況での引き渡しにしてもらった。

もちろんその分のリフォーム費用を値引きしてもらった上で取引価格の交渉をしたのだが、隅田川沿いの希少物件であっただけに本当にタフな交渉だった。

東日本大震災があって間もない時期だったので、売主に「地震の時はどうでしたか?」と聞いたら、「免振だったからそんなに揺れなかったですね~」と表情を崩さずに首を傾げながら言っていたが、今後もスーパー堤防&免振建築という強みが発揮されることを願うのみである。

 

立地・周辺環境・眺望・北西と南東に窓がある点といったファクターでは抜きんでていた物件なのだが、下の写真の通り、内見させてもらった際に売主の部屋に結構な生活感があったために、他の内見者にとっては輝く宝石的な物件のように見えなかったかも…と思えるのがとてもラッキーだったのだが、こちらはスケルトンにしてからリノベーションをしたいので、生活感のある部屋がとてもありがたかった。

 

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生活感のある部屋

 

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引き渡し時でスケルトンにする前の状況

 

そして、ここから躯体のみにしてからのリノベーションをしたのだが、500万円程度で考えていたのだけど、あれこれ欲張るうちに700万円かかった。

この700万円は俺のワガママを実現するための費用である。

大きな価格のものを購入する時には100万円程度の単位を小さく見てしまいがちなのだが、100万円という金額は毎月1万円ずつ節約してもそれを埋め合わせるのに8年間かかる金額であり、また、小さい節約を積み重ねて100万円分を節約することを考えると途方もない金額に思える金額なのでリテラシーとして侮ってはいけないと思いつつ、大いなる野望の実現のためには妥協をしなかった。

それにしても700万円という金額は月に1万円積み立てて、利子を考慮しない場合に58年かかって貯まる額であり、なかなか勇気がいった。

 

なお、売買契約から先方が退去するまでにかなりの時間があったために、月島で賃貸していた住宅と家賃をそれほどかぶらせることなく、ゆっくりとリノベーションの構想を練ったり、業者を探し、設計や工事について話し合う時間を取れたのは運が良かった。

 

リノベーションにあたっては当然ながら複数社から見積もりを取ったのだが、こちらの要望と図面を渡して、完成図面イメージレベルで提案をしてもらったのはB社とY社とオフィス・エコーさんだった。

それぞれ得意とする感覚やセンスがあるのだが、我が家と圧倒的に感覚が近く、他社と比べて「あれっ?」と思うぐらいにハイスペックかつ良心的な金額を提示してきたのがオフィス・エコーさんだったのでお願いすることにした。

他社はコスト削減のために、床の材質の単価を落としたり、片方の部屋を絨毯にしたり、ペンキでなく壁紙にするなどテイストを変えてみてはどうかと提案してきたのだが、オフィス・エコーさんでは全体を同じテイストで仕上げ、かつ、高単価の無垢のウォールナットとつや消しペンキ塗りで全体を覆うこちらの提案を通してくれた。

特に圧巻だったのが、造作してもらう洗面所・棚・机・キッチンのテイストを同じにしたいとこちらの要望を組んでそれを理想的な形で実現してくれたことと、廉価なIKEAの什器をベースにして市販のキッチンよりも廉価でオリジナルのキッチンを造作してくれたことで、施工会社ではなく設計会社の江本社長ご自身が「IKEAのキッチンを自分で組み立ててみたかったんですよ~」と言って、自転車でうちに通って施工する職人さんに混ざって汗を流しながらキッチンを組み立ててくれたことである。

次回以降に触れるが、おかげで、流し・棚・食洗器・ガスコンロ・オーブンレンジ・換気扇の全てが違うメーカーのものなのに、驚くほどの一体感を持つキッチンとなった。

 

なお、元々は2LDKの部屋だったのだが、風呂と洗面所の位置を入れ替え、大きめのウォークインクローゼットを設ける代わりに、1LDKにすることとして、将来に子供が生まれて個室が必要になったら寝室を分割しようと考えたのだが、結局、子供は持たない人生になりそうなのでこれからもずっとそのままにする予定である。

住宅価格の高い都心で70㎡を超える物件を購入すると随分と高額になってしまうので、我が家は70㎡弱の広さの物件を購入したのだが、この広さは二人で住むには十分な広さであるものの、家族が増えると手狭になりそうな気もするなあと思っていたのだが、そういった心配をする必要性もなくなった。

また、給湯器を別の場所に動かして、回遊性のある間取りにしたのだが、おかげで、空気が窓から反対の窓に流れるようになった。

次回はパーツの選定などについて述べる。

 

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解体工事後、スケルトンになった部屋

 

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リノベーションの序盤の様子

 

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